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七厘(しちりん) 

ボール紙に千代紙を貼って紐で綴じた文集。墨の字は先生の手か?
ガリ版刷りの縦罫で、600字くらい。


     「お手伝い」                           
            4年5組       10月24日

 今日、高校から兄が帰って来たので、何かおいしいごちそうを作ってあげようと、母と姉と、私が相談しました。そして、私と六年生の姉と二人で、ホットケーキを作る事に決めました。
 六つの弟と私が、しちりんに火をおこして、姉がメリケン粉や牛乳をまぜて用意を始めました。私と弟は、しちりんに消し炭を入れるのを忘れて、新しい炭ばかりを入れていたので、なかなか火がおこせませんでした。すると、見ていた姉が、大声で笑って「消し炭を入れるのよ」と教えてくれました。私は「ああ、そうか」と気がついて、消し炭を入れました。そして、紙くずにマッチの火をつけると、初めは黒い炭につかないで、消し炭につきました。おくの部屋にいた母が、「火がおこせないとは、たよりのない助手さんだねえ」とわらいました。
 おばあさんの家に遊びに行っていた兄が帰って来たので、大急ぎでする事にしました。桃や太鼓の形に切り抜いた鍋に、どろどろになったメリケン粉を流し込むと、プーッと膨らんで、ポツポツ穴があいて来ます。急いでしたので、こげたのもありましたが、これまで食べた物のうちで、一番おいしかったと思います。

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七厘、消し炭、そして桃、栗、太鼓の型のついたホットケーキがなつかしい、「型焼き」と憶えている出雲人もいる。

4年生になって大分漢字を憶えたようで、あまり変換せずにすんだ。ただ、しちりんを「火ちりん」と書いているのはおかしい。乳、粉、炭、桃、太鼓、笑はひらかなだ。「いそ」では中3だった兄は、この春、カトリック系高校に入学し、寄宿舎に住んでいる。

しかし、読んでいると、この辺から知恵がついて人の意を迎えるようになったようだ。

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