ジェイクとエルウッドの大人模型部

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作ったら撮影してみちゃおう! 基本編

2008年01月14日 14時45分15秒 | 部活動
ジェイク(JK):いよいよ、エルウッドもヤフオク目指してHGティエレン完成品の撮影ってことだから、少し長くなるけど幾つか注意点を挙げてみよう。

エルウッドに限らず、完成品を写真に撮りたいって人には参考になると思うしね。

基本は光源の種類を統一する事だね。太陽光、蛍光灯、白熱電球とかを混在させない事が先ず第一。これはもう絶対条件。

つーのもね。これらの光は人間の目、てか脳には、同じ白に映る…厳密には脳が勝手にそう翻訳しちゃうんだけど、実はそれぞれの光に含まれる紫外線の量が違うんやな。含まれる紫外線が多いと、青に偏光して青味掛かった色合いになるわけ。

これを「色温度が高い」と、専門的には言うんやけどね。

身近な例をあげてみようか。

外国映画の画面を見てて、赤味が濃いと思った事は無いかな? 

あれは、瞳の色が青とか灰色といった具合に薄い場合、黒い瞳に比べると紫外線吸収能力が低いんやな。それで色温度を低く設定して撮影し現像してるわけだ。
すると黒い瞳の我々には赤味掛かった映像に見えるんやな。

とにかく、色温度の違う光源を併用してはいけないって事やね。

ジオラマ撮影とかで、夕陽を浴びているシーンなんて場合じゃない限り。

それとあまり背景に暗い部分を作らない、ってのもある。

被写体がMGユニコーンガンダムみたいに白一色だと逆に黒一色にしないと映えらんやろうけど。

因みに、黒一色にする一番簡単な手は、背景に光を当てない、ってだけ(笑)。
板で遮蔽して影を作って、その影に入る手前に被写体を置く、やね。

鉄人の背景は明度が高い方が良いやろう。要は被写体に応じて、その色味をより良く見せるための工夫が要りますよということ。

外で撮影して、背景は青空って手もあるけどね。

屋外撮影の場合、光源は太陽光1つしかないって事になるんで、光を当てるためのレフ板が欲しいけど、まぁ、順光であれば何とかなる場合もある。

良く晴れていたら、銀紙では無くむしろ白い紙の方がお勧めかな。

人物撮影じゃないし、対象物がさほど大きくない分、大の大人が両手で掲げるようなレフ板は要らないけどね。
サイズ的には、子供が使う下敷き、それも白の奴があれば間に合うやろうな。

勿論、屋外に限らず室内でも天井の蛍光灯を光源にするのなら、レフは使った方が良いぞ。

モビルスーツの場合、スカートの影になって太腿とか陰になる事が多いから。
人間を撮影する場合には使わないけど、下からスカートで影になる部分にレフ板の光を少し補ってやると良くなるわけだね。

蛍光灯との位置関係にもよるけど、下に白い紙を敷いて撮影すると、その辺りはそこはかとなく上手く行くかも? 保障はしないが(笑)

出来れば、カメラは三脚で固定して撮影した方が良いんだけどな。
手ぶれ防止の為には三脚か、それ代わりの台に置いて撮影する、ってのが基本だし、それと光量が多い方が手ぶれ防止には望ましいね。

アングル的には下から見上げる位置にカメラを設置した方が、巨大感が出るね。

後は…接写(カメラを被写体近くで構える)と被写体深度が浅くなるから、ピントの合う距離が狭くなるね。

例えば、ザクでも鉄人でも斜めに置いて撮影した場合、手前の腕にはピントが合っているのに、奥の腕にはピントが合っていない、みたいな事ってあるだろ。

実際、巨大な物を撮影すれば、こう云う事にはなるんだろうけど、それでは…って思うよなぁ(笑)。

こう云う場合は、カメラを被写体から離して、光学ズームで寄ると、被写体深度を稼げるから、ある程度解消出来る筈だ。

けどなぁ、やっぱ問題の核心は光をどう当てるか? に尽きると言えるね。

太陽にせよ、天井の蛍光灯にせよ、基本的に一箇所から光が当てられているだけの状態で、複雑な形をしているガンプラを撮影すると、影になって潰れてしまう箇所が出来てしまうやろ。

最も影が出来ない照明は、カメラの真横に光源を持って来る事だけど、そうなると平面的で立体感が出ない。

てな訳で、これはもう場数を踏んで試行錯誤しながら覚えるしか無いんやね、実は。

勿論、ある程度のセオリーはあるんだけれど…ケースバイケースってのが現実。言葉だけでは、これはチョット説明出来ないんだね。

オイラは技術屋じゃないから、今回は特別に知り合いのプロカメラマンのPhotographix氏からもコメントいただくとしよう。


Photographix:ども、Photographixです。撮影アドバイスですね。

デジカメを使うんだったら部屋でもちょっとの機材でいけますよ。

基本的にはやわらかい光を全体にまわすことを第一に考えたらいいと思います

オークション用ということなんで陰影をつけないようにすることを目標に。

デジカメ使用ということなんで蛍光灯でも白熱電球でもかまいません。

カメラのほうでWB(ホワイトバランス)というのが設定できるようになっているはずなんで、そこを光源にあわせてください。

ただし、ミックス光はおすすめしません。

それから、バック紙を用意してください。

色は撮影対象が浮かび上がるような色なら何でも。
バック紙があるのと無いのとでは見栄えが違ってくるので重要ですよ。

ライティングですが、一灯の場合はカメラ位置より上方から光を当てるんですが。
できれば光源の前にトレぺ(JK注1)を垂らしてやるのがいいです。

JK注1:トレーシングペーパーのことやね。パラフィン紙とも。ちなみにライトに固定するときは金属製の洗濯バサミを使うようにね。プラ製だと発火の恐れがあるからね。

トレペがなければビニール袋をかぶせるというのもありますが、まあ光を拡散させてやってください。

ライトの位置が決まったら、陰というか光の弱い部分が出てくると思うので、そこは白い紙かスチロールをレフ版にして光を起こしてやります。

これでフラットな光になると思います。

三脚が無いということなんですが、三脚は安物でもいいんで用意しておいたほうがいいです。
特に上記のやり方だと光自体は弱いんで長時間露光になるんで三脚は必須です。

屋外での撮影はオークション用ということなら背景とかが安っぽくなるのでお勧めはしません。

即席ホリゾント(JK注2)ですが、MGザクの箱だと小さすぎると思います。1/144スケールでも最低50センチ四方は欲しいです。

JK注2:撮影ブースのことをこういうんだね。

まあ、物撮りは現場で状況に応じて組み立てていくことになるんで、文字で説明しても上手くいかないんですが、頑張ってみてください。じゃ。


エルウッド(L):ジェイクといい、Photographix氏といい、映像畑の玄人がいるって環境はありがたいよなぁ。

JK:まぁ、基礎的なことを抑えたなら、あとは数をこなしていくことだね。

L:ほなとりあえず、実践といきまひょか。

光は「白熱球」を使いまひょか。安物のスタンドが二つあるんで、これ使いましょう。

 

トレーシングペーパーだっけか、無いからあれだね、コンビニのビニール袋にしときまひょか。

下敷きと背景には子供の画用紙を承諾なしに使わせてもらうと。じゃ、まぁ撮影してみましょう。

撮影には PANASONIC FZ-3を使います。つうか、これしか持って無いし。

一応マニュアルやマクロ撮影も可能で、手ぶれ補正の代表カメラみたいな奴です。

まぁ、テスト撮影みたいなもんだし。やってみることにしましょうかね。

   

L:こんな感じですかな。なかなかポーズつけるのは難しいね。

でもあれだね、携帯で撮っていたときよりは、かなり精彩な感じになるよなぁ。

    

  

JK:おお、やってるな。こうして上がってきた写真を見るといくつか気になるところがあるなぁ。

最初の4枚の3枚目が一番綺麗に光が当たっているけど、腹と腰辺りの光が足りてない。
こう云う場合は、右斜め後から当てているメインライトの光を、ティレンの左斜め前に置いたレフで受けて反射光を当ててやると良くなるんじゃないかな。

ほかの写真でも、もっと正面から光を当てた方が良いやつとかもあるよな。

左右真横からと、右だけ斜め後からライティングしてる写真があるみたいだけど、被写体の右斜め前から光を当てても良かったんじゃないか?

どこから光を当てるかもう少しいろいろ試行錯誤していくやっていくべきだろうな。

それと。画用紙な。在り合わせで実験しているのだろうし、現物見て無いから断言はしないけど、チョット赤味が強い気がするな。

ホワイトバランスは合ってるのか? ホワイトバランスの微調整で青みを付けるとかしてみてもいいかもな。

本番で画用紙の端が見える…見切れている、と云う…のは、安っぽくなるから気をつけたほうがいいよな。

それと画用紙の色も、白じゃなくて淡い色が付いている紙をバックにした方がイメージ良いぞ。水色とかが、無難だけどな。

L:そうすなぁ、しかしなかなか撮影ってのも大変ですよな(笑)。

JK:オークション出品は写真によるキットの再現度が全てだからねぇ。

現物を手に取って見れる訳じゃないし、商品イメージは写真ですべて決まってしまうんだからな。

パッケージングで妥協するくらいなら最初から出品なんて考えるもんじゃないぞ。

L:おお、いつになくマトモなご意見! じゃぁ、近々にホリゾント作成して再度撮影してみるとしましょう。

うまく写せたら、オークション出品までの経過と一緒にUPするっちゅうことで。

JK:しっかりやれよ(笑)!

L:…しっかし、おめぇ、ほんとウンチクだけなのな(爆笑)。