吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

ニワトリの屠殺と柔道

2013年03月05日 | 思うこと

最近テレビでやったらしい。

ニワトリを育ててして食べる授業。有名な福岡県立久留米筑水高校のことだそうです。
なにぶんテレビが無いもので、見てはいないのですが。
参考サイト

基本農業系の学校だそうですし、高校生ですし、一応、出来なそうなら業者に出すという選択
肢も用意されているようですし。
食品流通科なんてコースの子たちには特に経験しておいて欲しいと思います。

賛否両論あるそうです。まあ、そうでしょう。
ゼッテーイヤって人もいるでしょうしね。

ただ、こういうデリケートなカリキュラムとか、一部の特殊技能を要する授業、たとえば体育の柔
道とかには、それにふさわしい指導者が必須だと思います。

どうも、工業化社会特有の現象、思想らしいのだけれど、色々な場面で、僕らは「標準化」という
ことに囚われすぎているような気がします。
教育についてもそうです。
決まったカリキュラムで育ってきた教師が、決まったカリキュラムで教育する。
個々の特性や才能に依存しない人材育成という考え方。
これは工業化が進んできて、工場労働者が大量に必要になった時代の国が通る道だそうで
す。一定レベルの人材をたくさん作り出すということを目的とします。
僕はどうも日本の教育はまだこの思想に取り憑かれているように思います。

個々の特性、才能が社会を変えるということに対して、標準化主義者は必ず「不平等」「不公
平」を盾に取ります。
何より、個性なんてものを受け止めるためには自身が個性的であるか、多様な個性を理解す
べく学ばねばなりません。こりゃ面倒ですわ。

話を戻すと、ニワトリを育てて殺す授業とか、引き合いに出しちゃったけど柔道とかは、カリキュ
ラムが先にあるべきではなく、しかるべき指導者が先にあるべきだと思うのです。
例えば、ニワトリを殺す授業であれば、それぞれに異なる子供の感受性に心を配れて、フォ
ロー出来るような人物が居なければすべきではないし、講習を受けた程度の人間が柔道を教
えるべきではない。

いやね、教育関係者は柔道ナメ過ぎ。
柔道は怖いんだよ。初心者が打撃系で上級者のレベルに至ることはまずないけれど、投げ技
は体重次第で初心者でも上級者に迫るエネルギーが出せちゃうのよ。
反重力装置でもない限りはヤバい投げ方でも途中で止められないのよ。
授業に武道を必須にするなら、柔道よりも乱取り無し、型と約束組手までの空手の方が安全だ
と思いますよ。

これからは、教育のスタイルも幅広い人材を育てられるような形になっていくべきだと思います。
本当は「ゆとり教育」の時代にそれをすべきだった。でも指導者側にその多様性が無かった。
ま、これからはどの業界でも、様々な状況に対応、理解する能力が求められるでしょうね。
年をとっても、えらくなっても、ふんぞり返ってないで一生勉強です。


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2 コメント

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夜店のひよこ (ヤマト)
2013-03-06 13:11:27
もう50年以上前の話ですが妹が夜店で可愛いひよこを買ってきました。ご存じのように売られているひよこは採卵用に使うものと処分されるものとに分けられ夜店で売られているものは全部雄鶏になる訳です。そうはいってもかわいいひよこをその場で処分するわけにもいかずひよこ電球で育てたのです。まー座敷で飼っていたので妹の後を追いかけて可愛かったのですがだいぶ大きくなった時父がそろそろかなーと言って鶏を柿の木に逆さに吊るして首をはねました。鶏はあわてて首をプルプルと振り良い血抜きが出来たわけです。
あらかじめ沸かしておいた湯をバケツに入れて鶏を湯の中に突っ込んで羽をむしる訳ですが決してバケツの上に顔を持っていってはいけないよと言われたのを思い出します。生あったかい甘いような匂いを嗅ぐと鶏料理が食べられなくなってしまうからです。妹が家に帰ってその事を知るとまー当然泣き出してしまいました。たぶんその時の料理は母が作ったのではなく父が腕をふるって鍋料理にしたと思います。鍋になった鶏ですが当然鶏肉の形ですから妹もおいしいと言って喜んで食べた事を思い出します。
家の家長としての働きを果たした、今は無き父の事を思い少し書かせて頂きました。
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白色レグホン (ひろにゃんof風琴屋)
2013-03-08 22:29:08
ヤマトさん、ようこそ!

素敵な思い出話をありがとうございます。

僕も保育園の頃、ニワトリを飼ったことがあります。
友達の家が養鶏所でそこからヒヨコを5羽ばかりもらって来たのです。
当然すべてオスです。
家の外に父が囲いを作ったのですが、ヒヨコ達は次々とネコに襲われて減っていきました。
しかし、最後まで生き延びた1羽は、それはそれは立派な白色レグホンとなり、ネコを襲い、
人を襲うようになってしまいました。
仕方なく、父がヒモでぐるぐる巻きにしてペットショップに持って行きました。
恐らく、他の動物の餌になったのでしょう。

それ以来、僕はニワトリにはあまり良い感情を持っていなかったのですが、去年飼ったまるちゃ
んのおかげでイメージが変わりました。
まるちゃんがあと数時間で死ぬことが予測できたのだから、それまでずっと抱いていてあげれば
良かったと後悔しています。
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