壊れた軽トラの顛末
~前回のあらすじ~
車検をクリアしたものの、冷却水管の腐食による穿孔により冷却水漏れ、あわやオーバーヒートで
の危機を乗り越えつ、何とか帰還。
さて、時間を作って修理です。スバルサンバーはエンジンが後でラジエターが前、そこを繋ぐ配管
は太いのが2本に細いのが1本の計3本です。
今回、穴が開いたのはその細い1本(ドキドキ)。
それは、普通に真っ直ぐの外形16ミリの管なので、適当な管で代用します。
管をフレームに固定しているクランプを外したところ、ポロポロっとパイ生地状のサビが、うっ(ドキ
ドキ)。
用意しておいた管を繋いで水を足して、エンジン始動。
ジョボジョボジョボ。あ、ああ、やっぱり……。
さっきからの(ドキドキ)はこの予感だったのよ。
既に他の管も腐食で穿孔していたのだけれど、クランプで抑えられていて辛うじて穴が塞がれて
いたのです。
クランプを外したのでパッチ状に穴を塞いでいたサビの薄片が取れて、晴れて穴貫通と相成った
わけです。
同じ場所で同じ仕事をしていた連中には、同じところに同じストレスが掛かり、同じ症状になると考
えるべきなのです。
ええ、それが定石ってものです。
でも1本だけであって欲しかったのよ!
他の2本は分岐の付いた管なので、適当なもので代用とは行きません。
ここで部品取り車登場。年式が新しいので管の腐食の可能性は低いと考えられるものの若干の
問題アリ。バンタイプのスーパーチャージャー仕様なので管の太さが違う!でもそこは強引に何と
かしてみようかと。
ホースとクランプを外したら、ああっ!やっぱり同じところに穴が!
うん、近くに居た人には聞こえたと思う。「ぽきぽきっ」って。心が折れる音。
地べたに寝転んで、上から落ちてくるサビ、ごみ、這いよるザトウムシ、両手がふさがっている時に
限ってやって来る蚊に耐え、固着したネジをねじ切り、サンダーで切り、ようやくたどり着いたところ
に穴。山のあなあなあな……。
これは設計の問題。あたしが悪いんじゃないのよ。
管をフレームに留めるのに、がっちし固定してしまうとフレームのたわみ、ねじれで管の固定部に
多大なストレスが掛かります。それを逃がすために多少のずれを許すクランプで留めてあるので
す。
そうすると今度は、管とフレームの間で摩擦が起こり、双方が研かれて表面の塗装、メッキが剥が
れサビるのです。腐食するのは管とフレームの触れる部分だけです。
こういう場合は普通、樹脂など柔らかい素材(ついでに絶縁体だと電蝕も避けられる)を介して留
めるとかの方法を取るんですがね。
そこで失意の昼飯。家内にその話をすると、彼女は満面の笑顔で
「うん、そうだね。次はラジエター破烈だねっ。そのぐらいじゃないとネタにもならないよねっ」
……アンタ鬼や……。
戦いは続くぜっ。
手許にあるバンから管を取ろうとしたのですが、バンの作業性はキツかったです。
トラックはフレームと荷台の間にスペアタイヤが入るほどのスペースがあるのですが、バンでは
すぐ床で、作業は下側からしか出来ません。
管を車体から外すためには、ねじ留めのクロスメンバーを外さなければならず、そのためには
燃料タンクを外さなければなりません。トラックだと上から手が入るのですが。
サンバーはスペースの有効利用率が高いのですが、それは言い換えるとムダや隙が少ないと
いうことです。
大整備の時にはそれがマイナス面として出ますね。
トラックは荷台下にムダな空間があるのですが(昔のサンバートラックはバンと同じような床の
モデルがありましたね)この空間のおかげでかなり助かりました。
隙だらけのジープと対照的で興味深いです。