カブ主（ぬし）３

カブに乗るのが楽しくて仕方がない今日この頃です。

数年前から持っていたのに、なんで今そう思えるのかわかりませんが。
歳のせいか、自分を取り巻く環境のせいか、趣味や嗜好が変わることはあります、でもって、さらに時が流れてまた戻ることもあります。
これを趣味の循環といいます（そうだっけ）。
個人でも社会レベルでもありますね。

趣味が変わったときに古いものを捨てたり、人に譲ったりして整理してしまう事がありますが、また趣味が戻った時に後悔したりして。

最近は昭和レトロだの、昭和３０年代ブームなどというのを聞きますが、まあ、嫌いじゃないです。
僕も昭和３０年代には半年程しか存在していないので、憶えてはいませんが（笑）。

あの頃の方が間違いなく皆貧しかったわけですし、戦争の危機だって今よりも深刻だったかも知れない。
今よりも勝っていたのは、ただ未来に対する希望くらいじゃないでしょうか。
社会や世の中に対する無力感、閉塞感、それから希望も、本来実体のないものです。
心の持ち様だけでもかなり何とかなるものです。
雇用条件だの労働条件だのの厳しさというのは昭和３０年代でもかなりのものです、人道的見地なんて視点から見れば、現代とは比較にならない厳しさもあったはずです。

社会の変化だの、進歩だの、時代の流れだのといいますが、僕には大して変わっているようには思えません。
先の見えない時代なんてよくいいますが、占い師じゃあるまいし、先の見える時代なんてあったんでしょうかね。
いつだって、人も動物も恐怖と不安の中で生きて来たんじゃないでしょうか。
昭和３０年代だって、今だって。

カブはそんな時代をずーっと通り過ぎて来たんですよね。
耐久性と燃費が特に優れているくらいで他に大した能力もないのにね。
案外そんなヤツが最後まで生き残るのかもしれないですね。