掃除機がピンチでした。
家内が自分で調合した漬けダレでキムチを試作しているのですが、その桶の脇に置
いてあった掃除機に汁が溢れて流れ込んでしまったのです。
通電性の液体です。妙なる匂いの汁です。
あれって食べる時は良いのだけれど、それ以外の時ってどうしてあんなにイヤなん
でしょ。
それはさておき、貴重なる掃除機が起動不能です。ヤバいです。
うちの掃除機はエレクトロラックスのオキシジェンという排気が最もきれいな高価
なヤツです。
今はだいぶ良くなりましたが、子供がアレルギーだったので。
僕は、実は掃除機には一家言ある方です。
パイプオルガンという巨大掃除機(そう、原理的には似たところがあります)の専
門家ですから。
さて、早速解体してみましょう。
実は前から中身を見てみたかったのです。
急いでいたので写真を撮るのを忘れていました。
ネジはトルクス、ヨーロッパ製品にはよく見られます。
ヨーロッパでは他にポジドライブというネジも良く使われます。
これはプラス(正しくはフィリップス)によく似ていて、無理して合わないことも
ないのですが、専用のドライバーを使うべきです。
この手のヨーロッパ製掃除機は頑丈ですが重いのが欠点ではあります。
まあ、軽さと丈夫さはなかなか両立しえない条件です。
音が静かであるというのも売り文句でしたが、筺体が二重構造になっている上に
モーターもしっかりカバーされています。モーター本体のノイズは小さくありませ
んから、遮音の勝利ですね。
その二重構造のおかげで汁の被害は意外に少なかったのでした。
電気部品を外して、その他の部分はしっかりお湯で洗って乾燥します。
家内のキムチ、ナイスです。うまみの秘訣は、アミの塩辛とかくし味のナンプ
ラーですね。ええ、僕が買って来ましたから。
…くっさいです。
問題はメインの基盤。電源部分にショートした形跡がありますが、目視では他に問
題はなさそうです。
通電性のくさい汁を洗い流して乾燥してみます。運が良ければ再使用できるでしょう。
再組み立て後、起動テスト。この瞬間がドキドキでしたが無事復活。リモコンも異常
なしです。
…オレはやったゼ…がくっ。充実感の中で息絶えたのでした。
完
ではなく、所見を少々。
たまに僕が踏んだり乗っかったりしても壊れない頑丈さはさすがです。
プラスチック製の筺体はもっと軽い方が良いと思われる向きもあるかと思いますが、
薄いプラは確実に劣化が早いです。
技術的には「枯れた」ものです。つまり何も特別なことはありません。
風の通り道をしっかり作って、排気は全量フィルターを通すという当たり前のこと
をまじめにやっているだけです。
しかし、これが難しいことらしい。同等の性能の物がなかなか現れませんでした。
サイクロン式というのも視覚的インパクトはありますが、あれは細かいホコリ
(小数点ミクロンの単位)には無意味です。
きれいな排気を決定付けるのは、排気のフィルターだけです。
実は、掃除機の排気については、統一された表示義務がまだありません。
第三者機関による測定を参考にするしかない状況です。
排気がクリーンと謳っていた掃除機が、実はフィルターの劣化で性能が低下するの
を避けるため、排気口以外のところ、コードの出口や車輪のところからも排気する
ようにしていた例もあります。
排気口で測定すると、謳い文句のとおりきれいなのですがそれ以外から汚い排気を
出していたわけです。
モーター冷却風として、集塵側の排気の一部を別の口から出していた例もあります。
一般に、外国製品は補修パーツや消耗品の供給は多少高いかなと思えても長期間確保
できることが多いので、その点は評価すべきでしょう。
掃除機愛好家としては「掃除機は一生モノ」であると思っているのです。
さて、褒めてばかりでは何なので苦言を。
この掃除機は最近コードの巻き取り機構の調子が悪かったのですが、果たしてコー
ドリールのブレーキのバネを引っ掛けるプラスチックのツメが折れていました。
ここで声を大にして言いたい!
掃除機のコードリールの具合が悪くなるのが気に入らない!
止まって欲しい時に止まらず、戻って欲しい時に戻らない。
コードリールのブレーキ機構が劣化しやすいのと、巻き戻しバネの劣化が原因です。
今まで所有したほとんどの機種で同様の問題が起こっています。
旧式のラチェット式ブレーキは確実でした。
巻き戻しバネが強力でコードの終わり、プラグが跳ねて当たって痛かったりしたけど。
それでバネを弱くしたのか?安全上の問題でクレームでもついたのか?
とにかくメーカーの皆さん!何とかして!
結局こうなる
拡大
文句を言うだけというのはワタシのポリシーに反するので建設的意見も書いておこう。
コードリールを外部装備にするというのはどうです?
収納時には掃除機本体と一体化するデザインでも良いし、本体とコーディネート
したデザインの完全な別体品でも良いです。
リールは電源近くに置いて、本体へコードを伸ばす、プラグは本体側に設けると。
使用後は本体側でプラグを抜いて、リモコンで巻き取りを指示するとモーター駆動
で安全な速度で確実にコードを巻き取るのです。
コードリールには電源から電気が来ているので、モーターも駆動出来るわけです。
タダでアイデアを出しちゃったよ!よろしく!
匂わないように密封していただいたのですが
帰りの飛行機の中で、パンパンに膨れ
いつ破裂するかドキドキでした。
そして、
破裂したのは家の台所!
パーン!という音と共に、タレが
飛び散りました。
まだ購入して間もないのに
うちの掃除機もコードの具合が悪い!
戻りが悪いのでイライラします。
それに、ヨーロッパ製の掃除機は、本体に
スイッチがついていて不便。
掃除機を解体し修理してしまうなんて
さすが、ひろにゃんさんです!
キムチ
昔、オランダのフリーマーケットで掃除機を買おうとして断念したことがあります。
お金が無かったのと、大きくて重かったからです。
ベイビー・デイジーというそれは、ふいごを人力で動かして負圧を得るものでした。
足ふみ式真空掃除機というのもかつては存在しました。
人力マニアのオルガン職人としては、いずれは作らねばならないでしょう!
発酵ものの爆発事件については多くのエピソードがあります。
つい昨日も一件ありました。
それはまたいずれ…。
オールドタイマーありがとうございました。ワタシ何かしましたっけ?
プロの仕事場では、電線やエアホースがリールに巻かれているのは良く見る光景ですね。
あるいは、電源やエアの取りだし口が至る所にあったりもします。
プロの世界の工夫には学ぶべきところが多々あります。
その辺は『オールドタイマー』や『ガレージビルダー』を参照ねっ。