「黄色い家」のテーマは重かったが、この本はメルヘンっぽいというかポエムっぽく気持ちが羽毛のように軽くなりました。
父親を亡くした麦くんと母親を亡くした女の子の話。
父親と二人暮らしの女の子、実は父は再婚で、前妻との間に女の子がいること知り、お姉さんに憧れている女の子は(遺伝子の)半分は同じ姉妹と思い、会いにいく。
しかし、その姉(青)は、生物学的血縁やDNAなど意味がない、自分は義理の父を父と思っているし、今更実の父親に会いたいとはつゆ思わない。だから目の前にいる女の子を自分の妹とも思わないと言われ、期待していたつながりがプッツンと切れ、女の子は自分の考えの単純さや期待が甘かったことを自覚する。
「夏物語」に出てくる医師の父親探しとこの姉の言葉は対照的。
一連の行動は拒絶されたものの、冷静にはっきり考えをいう青を「かっこいい!」と思った女の子は本当の意味で青にあこがれをいだく。
この本の笑いのツボはネーミング。
プファぁ〜と何度も吹いた。
心も体も逞しく成長するんだろうなと思わせるラストにいい余韻が残る。
麦くんのようになんでも聞いてくれるサンドバッグのような友達がいるといいなぁ、、
それが私の憧れ、、、