人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

全54帖への試み

2009年02月25日 | 舞台
 朗読なぎの会第十回記念公演『源氏物語』が盛況のうちに終わった。

 能舞台の展示物が効果を発揮して、会場は華やかなムードに包まれ、
そのお陰でやわらかに高揚したお客様の心は、半分平安時代にタイムスリップ。
「たった2時間で54帖の聴き所と、作者:紫式部の想いに迫る」
という無謀な試みも受け入れやすくなったようで、何とか無事に幕を
降ろす事が出来た。
 
 開演ギリギリまで推敲を重ねた映写映像(通称パワポ=源氏物語の
模写絵や古典原文の現代語訳などを約100種類ほどパソコンに取り入れ、
プロジェクターで映写した)だったが、舞台袖で観ていると、「あー、
こうするべきだったア」と、新たな発見がいくつか見つかり反省しきり。
 詰めの甘さはいつもながら直っていない。

 それでもお客様の反応は、今回は絶賛に近く、驚かされた。
 これを引き出したのも、やはり展示物の存在感が大きかったと思う。
 
 特に、能舞台中央に据えられた、平安貴族の正装:束帯と十二単の
等身大衣裳は圧巻だった。
 前々日の仕込みで飾られた薄紫の神々しい十二単を、更に前日になって、
赤を基調にした艶(あで)やかなものに差し替える熱心さには感服。
 武生の“民族衣裳源流会“代表の三田村先生の情熱的な指示のお陰で
あると同時に、その指示を黙々とこなして下さった敦賀支部の先生方にも
頭が下がった。

 価値を知る者たちだけが、「伝える」事の果てない努力を惜しまない。
「いつか伝わる」と、信じて進むのだ。
 
 私も、信じて疑わない舞台の価値を伝えてゆきたいと思う。
 舞台には夢と真実が詰まっている。ゆがめられた心身を癒し、生きる
エネルギーをダイレクトに補給する場としての劇場(舞台)。この想いは
一度もぶれた事がない。
 現に、なぎの会の皆さんのここ数年の急成長ぶりは、彼等が舞台に立つ事
から得たエネルギーの大きさを証明している。

 たとえ馬鹿だ、単純だとあざけられても、心底舞台の力を信じているから
仕方ない。 やっぱりアホなんかなあ・・・フフ。

 さあて、次は、『蕨野行』でっせ~!


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