時の重みに・・・

　オリンピックが終わってしまった。
　最後の最後に何でアベが出てきよんねん！！
　気分が悪かった。

　気温はさほど変わらないのに、昨日から秋を感じる。
　暑さに迫力が欠けてきた。

　早朝からの仕事に区切りをつけ、余裕を見て知人のお見舞いに出た。
　その途中、気比の松原へはどう行きますか？と尋ねる二人に出逢った。

　一人はワルシャワ大学で日本文化を教えていらっしゃるポルトガル人。
　もう一人はそのご友人の日本人。
　お二人とも私とドッコイドッコイの年回りに見え、つい「近いですから」と案内を買って出た。
　15分くらいですから、と。

　近くなかった。

　幼い頃毎日のように、死んだ兄と二人、そら豆の袋を腰に着けて通った道。
　全く苦にならず、意気揚々と小走りに通った道。

　目の前を、「にいちゃ～ん」と楽しげに追って走る、幼子の自分が見えた。

　時間は戻らない。
　その重さが、そのまま彼らへの申し訳なさに重なった。

　ようやく30分余りかかって松原公園に到着。
　手を振って別れた後、久しぶりに自分も松原を見た。

　松林が痩せていた。

　自然は正直だし、裏切りもしないのだ。


仕事で行った越前町の帰りに寄った絵本館で