【地下生活者の手記※追記】
白石一文の「この世の全部を敵に囘して」を讀んでゐるが、丸でドストエフスキイの「地下生活者の手記」のやうな作風だ。
「この世の全部を……」の文庫版の裏表紙には、「白石文學の礎をなすと同時に、最高到達點となる問題作」と記されてゐるが、「地下生活者の……」はドストエフスキイ文學の礎をなす問題作である。
「地下生活者……」にせよ、「この世の全部を……」にせよ、その根抵には厭世主義が看取出來るが、この私も何周目かの厭世主義に捉はれてゐる。「この世の全部を……」が影響したかどうかは解らないが、私が中學生の頃から抱いてゐる厭世主義とは、「三つ子の魂、百迄」と云ふ事で、矢張り、根強いのだ。
私は一册も作品を物してゐないが、氣質としては物書なのかも知れない。やうやく、それに氣附けたのが、茲最近の達成かも知れない。
追記――。同時代を生きる作家に、私と似たやうな厭世主義者がゐる事を、私は嬉しく思ふ。
白石一文の「この世の全部を敵に囘して」を讀んでゐるが、丸でドストエフスキイの「地下生活者の手記」のやうな作風だ。
「この世の全部を……」の文庫版の裏表紙には、「白石文學の礎をなすと同時に、最高到達點となる問題作」と記されてゐるが、「地下生活者の……」はドストエフスキイ文學の礎をなす問題作である。
「地下生活者……」にせよ、「この世の全部を……」にせよ、その根抵には厭世主義が看取出來るが、この私も何周目かの厭世主義に捉はれてゐる。「この世の全部を……」が影響したかどうかは解らないが、私が中學生の頃から抱いてゐる厭世主義とは、「三つ子の魂、百迄」と云ふ事で、矢張り、根強いのだ。
私は一册も作品を物してゐないが、氣質としては物書なのかも知れない。やうやく、それに氣附けたのが、茲最近の達成かも知れない。
追記――。同時代を生きる作家に、私と似たやうな厭世主義者がゐる事を、私は嬉しく思ふ。