1、永井花奈がいよいよ覚醒か!
今年も相変らず「愛くるしい」永井選手。予選二日目のウェアが、膝上の「黒のワンピース」なのが可愛い。若い連中の「ピタピタ」の度合いを競うかのようなミニが目立つツアーだが、逆にこのぐらいの「おしとやか」な出で立ちの方が、永井らしくってとても上品だ。まさに「昭和マダム」って雰囲気が漂っていて、今年72の昭和老人である私には「ドンピシャ」のスタイルである。で、肝心の最終日の結果はどうかと言うと、パターが伸び悩んで優勝戦線から後退してしまったのは残念である。ウェアも最終日はズボンで、今一パッとしない。まあ、見た目そっちのけの「勝負丸出し」モードを全開した意欲の表れだと取れば、これはこれで拍手を送りたい。結果は9アンダー6位フィニッシュだから「悪くない」のだが、1日目3位、2日目4位という位置を考えると、ちょっと悔しい気持ちが出てくる。今季はQTも70位と下位なので出場機会も少なさそうだから、出た試合は頑張ってリランキングまでに賞金額を積み重ねたい、と言うのはよくわかる。だが今年は無理せずじっくり調整して、完璧に仕上げてから「来年にシード」を取れるよう、練習を積み重ねるのが私は良いと思う。コーチも辻村組からフリーになったみたいで、ようやく自分で運命を切り開く覚悟を決めたのかも知れない。実力はあるのだから、何かのキッカケで突然良くなることも十分有り得る。その何かが「メンタル強化」ということであれば、ここが勝負のしどころかも・・・。最終日はちょこっとしかテレビに写らなかったので、ファンとしてはもっと活躍してほしいのだが、ここはじっくりとスイングやパターを見直すのが先かな。強くなければテレビに映らない勝負の世界は、厳しいなと感じた。永井花奈のさらなる覚醒を望みたい。
2、またまた飛ばし屋の新星現る
次から次へと若い選手が飛ばしている。去年の飛距離第一位は原英莉花の「259ヤードちょっと」だが、今年の新人は260ヤードが「飛ばし屋の平均」になってきた。その一人が「小林夢果」だ。ドライビングレンジでドライバーを振っている姿を見ると、柔らかい身体を目一杯使って、超アグレッシブにぶん回す「マン振り」スイングは魅力満載である。しかもそれでいてフィニッシュで乱れることなく「ピタリ」と収まる点は、もうプロとして「完成されている」と言っても過言ではない。彼女もまた「あのジャンボ塾」の生徒であるという。原英莉花・笹生優花に西郷真央ときて、さらにこの小林夢果である。軍団の勢いが止まらない。「飛ばし」を最大の武器にして、かつ「小技で勝利する」ジャンボイズム、恐るべし。
因みに、飛ばし屋と言われるのは240を超えてくる選手たちで、鶴岡果恋の243ヤード辺りがギリだろう。そこへ行くと上田桃子の244と藤田さいきの245は、年齢的に言って、凄い。野澤真央と宮田成華と工藤遥加と松田鈴英が245である。この上は10人しかいなくて西郷246と河野杏奈247と続く。そしてこれからが本当の飛ばし屋で、テレサ・ルーの251は年齢から言って「驚異でしか無い」のだ。一体どうやって飛ばしているのか、その秘密を解き明かしてくれるコーチがいれば、もうプロの間でも「引っ張りだこ」になるのは間違いない。まあ、葭葉と山路と山城はちょっと優勝とはいかないが、穴井253・渡邉250は十分勝てる実力があっての飛距離であるから魅力だ。そして「和製デシャンボー」の勝みなみ254と、この飛ばし屋のなかでも飛び抜けて「飛ぶ」のが、細マッチョ原英莉花の257なのだ(2022記録)。勿論これは平均である。
さて、これらの「飛ばしバカ軍団」に勝負を挑むのが、平均「260ヤードを超える」というルーキー達であると言うから空恐ろしいではないか。中でも期待のルーキー「佐藤心結」など、優勝争いをした経験もある選手も何人か出てきているので、ますます観戦する楽しみがまた増えたと言えそう。アメリカでは女性で飛距離「300ヤード」を超える選手が出てきているので、女子でも「飛ばしで見せる」時代が来た、のでは無いだろうか。つまり、「220ヤード位」をウロチョロしている我々では、全然「お話になんない」と相手にされなくなりそうなのだ(あーれーっ)。もうレディース・ティなんか必要なくて、我々が逆に「シニア・ティから打たせてもら」って距離の差を埋める日が、そう遠くないのではないかと思う。世も末である。
3、試合経過、レギュラーツアーはやっぱり西郷が軸になる
開幕戦を逆転で勝利すると、その勢いのまま2試合目も優勝に絡んできた。最終組は西郷と堀と植竹の3人。サイペイインが2組前、石井理緒が一つ前の組で、残り2ホールを残して1打差に5人がひしめく大混戦。そこで17番をサイペイインがバーディとして、13アンダーで抜け出すと「一気にグループに緊張」が走った。最終組は16番パー5で全員バーディに終わる。本当はイーグルも望めるのだが、残念ながらバーディ止まりで縮まらなかった。西郷が12アンダー、堀・植竹が11アンダーでトップを追いかける。追撃グループが17番でも伸ばせない間にサイペイインは18番をパーで上がり、クラブハウスリーダーで後続を待つ。今回はギャラリーも少しだが入っているので、選手等の一打一打にも拍手とどよめきが湧いて、優勝の瞬間を待つ観客の興奮が伝わってくるのはテレビでも分かった。
石井理緒は18番のティーショットをバンカーレーキに当ててしまい、しかも、マトモに打てそうも無いアゴの近くに入れて、万事休す。植竹は17・18と「一筋違う」惜しいパットで食い下がるが、こちらも2打足りず脱落。2人とも「やり切った」清々しい笑顔でプレーを終えた。堀は「今年、自分のプレーで見てもらいたい所」というアンケートに「諦めないところ」と書いた通り、最後まで果敢にチャレンジしたがパットが入らずにサイペイインに届かず。しかし負けた後もちょっとグジグジしてたのは堀の悪い所で、これは頂けない。やはり石井理緒や植竹希望のように、爽やかな笑顔で勝者を祝福してもらいたいものである。
そして最後にプレーオフを賭けた西郷のパットは、残念ながらカップに届かず、手前30cmで弱々しく止まってしまった。この瞬間にサイペイインの優勝が決まったのである。これは、何とも後味の悪い結末だ。せめてカップを「通り過ぎるパット」を打ってもらいたかったというのが、息を呑んで見守る観客とテレビの視聴者「全員の思い」だろうと思う。この辺は少し「大げさに悔しがって」も良いのじゃないか、それが観客と一体化して試合を盛り上げる「プロのパフォーマンス」だと思うんだが、まあこれからの西郷の課題かな。
とにかく勝負の掛かったパターの、しかも真っ直ぐで最後にカップ際でややフックするという「分かり易い」ライン。ここは強めに入れて「ラインを消す」打ち方が求められる所じゃないだろうか。カップをかすめて入らなかったとしても「この一打に全てを賭けた勝負魂」には、称賛されることはあってもブーイングは絶対無い。そんなシチュエーションで打った渾身のパットが、あろうことが「カップに届かなかった」というのは、如何にも「拍子抜け」するプレーである。勿論、本人はカップに届くと思って打ったとは思うのだが、やらなくてもいい「ジャストタッチ」を狙ったんじゃないかな。つまりマネジメントのミスである。
これが、プレーオフを狙って選択したパッティングだとしたら、西郷はまだまだ「観客の気持」が分かっていないことになる。アマチュアならいざ知らず、観客に「見せるプレー」を要求されるプロであれば、ここはボギーのことなど考えずに「バーディだけ」を狙って強めのオーバーに打つべきだった。それが人気者、「強いヒロイン」になれるかなれないかの分かれ道である。西郷はまだ「2位グセ」が残っているのかも。だとしたらすでに1勝した西郷には、これからもガンガン攻めていき、いつでも「優勝を自分でもぎ取るつもり」のチャレンジ精神を発揮してくれるよう期待したい。
以上、日本のゲームで長くなってしまった。ホンダ・タイランドの試合の結果は、今回は月曜日にチョロっと書ければ、と思っています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます