しゃけ妻と2泊もの旅行をするのは何年振りだろうか?
結婚25周年の北海道旅行以来だからもう8年も前なのだと思う。
思い切ってイタリアなども考えたが、ちょっと体力的に無理そうで奈良にした。
奈良は15歳の修学旅行以来だ。入院前でちょっと心を洗う旅がしたくなったのだと思う。
新幹線に乗るのは、20年ぶりぐらいだろうか?知らないうちに新幹線も平べったくなった。
N700系のぞみと言うらしい。オーストラリアのカモノハシの様な面構えだ。
恐る恐る、しゃけ妻に朝飯にカツサンドを食ってよいか許可をとってみた。
普段なかなか子の様な贅沢はゆるしてもらえないが、最近は寛大。ほっとした
そして、うまかった。
バイクで高速を走っていると1時間くらい誰にも抜かれないことが嬉しかったりする。
『この道路を現在最高速度で移動してるのはこの俺だ』等と直ぐ錯覚するのがバイク乗りの悪い癖。
新幹線はバイク乗りのプライド等あっという間で圧倒するスピードだ。
あっという間に名古屋を過ぎて京都に向かう。その途中の山です。名前?分かりません
日航ホテル・奈良は駅のとなりで、現代的で高級感があってホスピタリティーの良さは特筆できる。
もっとも、ホスピタリティーの良さは奈良の人の特徴かもしれない。
随分あちこちで、他人とは思えないもてなしを受けた。杖ついてヨタヨタしてたからかもね。
早めにチェックインして荷物のみ置いて東大寺に向かった。
東大寺は、東京的感覚で言うと市内の中心にあるのではと思える位置にある。
しかしながら、自然は豊かで鹿は普通な顔して歩いていたり、水の組める小川が門前に流れている。
自然と人の融和が、奈良の人々の心の豊かさを育くんでいるように感じた。
45年ぶりの東大寺。なんだか久し振りに母親に会いに行くような気分だ。
『大仏様、しゃけは20cm身長が伸び、結婚もして仕事も一応成功し、バイクも乗ってるんですよ』
子供が親に報告する時の気分だ・・・
この看板を見て、売上倍増のための看板ととらえては奈良の人の風情は伝わらないと思う。
この鯉・鹿兼用のせんべいは、両方に使えてお得だから買うのではない。
鯉と鹿が同じものを食べるのを見るのは、心が楽しくなるから買うのである。
鹿も鯉も喜んで食べるなら、しゃけにとっても美味しいかもね・・・
大仏様の居館が近付いてきた。好奇心より懐かしさ・到着感より帰着したという感じがした。
大変古い巨大な建物だが、板を縦に使って白くぬってあるのが何か新鮮な感じがした。
それにしても大きい。
『あ!おびんずる様!』と思わず叫んでしまった。
長野の善光寺でお会いした『おびんずる様』と同じお顔だ。おびんずるの意味は知らないが、
げっそり痩せているのは我々のさまざまの病気を引き受けて下さっているからだろうか・・・
年を取ったお地蔵様のようだ。お地蔵様は六道から我々を救い出してくれる大日如来の化身だ。
大日如来は時には閻魔様にも変化する。そう・・・救いも裁きも表裏一体なのだ・・・
私の知識が間違っていなければ、大仏である盧舎那仏は大日如来そのものである。
そうすると、おびんずる様は大仏様の別のお姿なのではと思う。
思わず手を合わせる
大仏様の瞳はまっすぐに、しゃけとしゃけ妻をまっすぐに見下ろして『大丈夫だよ』と語りかけて下さった。
涙が沢山出てきて止まらない・・・あのまなざしは忘れられない。しゃけ妻も泣いていた。
奈良に来てよかった。目的はこのことだったのだと気づいた。
我々は仏教徒だとあらためて思い知った。
時間も、しゃけの歩行能力も限られている。どこを回るかはすべてしゃけ妻にゆだねた。
この歳で、まるで娘に手をひかれて敢行してる本物の爺様の気分を味わってしまった。
東大寺では夜、お水とりの行事がこの時期行われるが、歩行の疲労度を考え断念。
三月堂の御本尊や脇侍の日光菩薩・月光菩薩の素晴らしさには声も出なかった。
本日は最後に興福寺で有名な阿修羅像や弥勅如来像を参拝した。
阿修羅像は15歳の時にみて本当に感動して以来。弥勅如来様は全てのものをお許しになる慈悲を感じた。
杖をつきながら、興福寺の52段の階段を下りると可愛い鹿の親子が居た。
小鹿はくつろいで笑っている。それを母鹿が見守っている感じだ。
良いタイミングで写真が撮れて良かった。
小鹿が眺めていたのはこの池でした。
ここでは古代衣装を着た美女が乗った舟が繰り出すお祭りや、燈明流しの様なお祭りも行われるようだ。
今日ほど心の洗われる日はなかったように思う。
旅を奈良にして本当によかった。
写真を見てくださってありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
←左の『携帯写真』というバナー(ボタン)をポチッとおして応援お願いいたします。
今日は真面目なコメを書いちゃいますが実は私
仏教系の仏像が好きなんです。というか
一度は自分の手で造ってみたいんですよ。
阿修羅像の優しい顔と力強い顔、
威圧感のある阿形像と吽形像、また阿吽の意味。
阿弥陀如来像は特に立像が何とも云えない温かみを
感じます。
安物だけどクリスタルの阿弥陀如来立像を買ってしまいました。柄にも無くかな!?
元気になったらバイクで仏像巡りでもやりますか?
やはり男同士の友情は阿吽の呼吸が何より大切ですが、男女の仲は『あふん』の呼吸が何よりだと思います。