『ああた(あなた)は、こうゆうのやりたいかもね・・』
とリハビリのK先生・・・
革製のバイク用品などで、革工芸のカーヴィングには憧れがあった。
まさかリハビリでやらせてもらえるとは思わなかった。
眼鏡ケースを作ることにした。
革はあまり端っこは使わない方が良いらしい。
動物も腹側は皮がぷよぷよしてるからだろうか?
眼鏡ケースに成るであろう形に線引きする。
デザイン帳から、トレッシングペーパーにフリーハンドで写し取る。
これがカービングの基本形らしい。
おもな道具。初心者用のこのデザインでも7~8種類程度の道具を使用する。
左端がスーベルカッター。曲線も自由自在に彫りこめるカッターだが
しゃけ君が使うとどうしても直線的に成る。悔しいなあ。
皮の上にセロテープで型紙を仮止めし、鉛筆で強めになぞり革に線を残す。
革を刷毛で少し濡らし、スーベルカッターで線に沿って彫りこむ。
革を濡らしてから、彫りこんだ線に沿って鏨で陰影をつけて行く。
革は濡らすと性格が変わり、鏨の強弱を感じて受け入れる。
面白いなあ・・・
革と話をしている気持ちになる
種の一粒一粒や、茎の模様を彫りこんでいく。
100本以上もあるカービングの鏨は番手の番号がついてるだけでなく、それぞれに固有名詞が付いている。
例えばゴルフ道具のW1・W3・W5をドライバー・スプーン・クリークと名前が有るのと同じだ。
ちなみに、画面右上のつぶつぶの種は、シース(種)と呼ばれる鏨で一粒づつ彫る。
おそらく米国の西部開拓時代からの伝統有るネーミングが、鏨の番手ごとに付けられていったのだろう。
自分の使った鏨と同じ番手の鏨を、200年前のカウボーイも革工芸で使ったかも知れない。
当時はカービングの技術は秘伝だったようだ・・・
こんなことを考えながら作るのは、俺にとってはとても楽しいことだ。
写真は省略したが、形を切り取る前に内側に成るフェイクレザーを貼っておく。
アンティークの着色をして、眼鏡ケースの形に裁断する。
乾いてから布でマッサージして軽くつや出し。
写真で見ると失敗の色だが、ローズウッドの木彫の様な色に仕上がった。
まあ、室内の携帯写真の限界でしょうか・・
三連の鏨で、穴をあけるラインを引く。
一本目の鏨を革に立てて、真中の鏨の内側を革の外側に沿わせ移動させていくと線が簡単に引ける。
三連の鏨で、穴の位置を決める。
穴の位置をミリ単位で目視しながら、穴開用の鏨で正確に穴をあける。
写真は無いが二つ折りにした部分の穴は重なる必要が有り、片側に穿孔してから重ねて折り
裏側にボールペンで印をつけて裏側から穿孔する。
革の紐を穴に通して行く。黒を選びコントラストをつけた。
力加減が難しい。緩いのは絶対ダメ。でも強すぎてもダメ。
直角に曲がる部分は二重に通す。
勿論、書いてる様には出来ていない。
でも、楽しいんだよ。
眼鏡を入れてみて、レース(革紐)のしまり具合を確認。
爪の痕は付き放題、色ムラも出放題・・
彫りこみが浅くあまいし、逆に繊細に打刻すべきところを大胆に潰してしまった。
だけど新品なのに使い込んだような風合いを感じて、満足した。
リハビリの受付の女性Kさん(K先生とは別人)が備前の小壺に活けた竜胆が、
レトロな感じで、しゃけの童貞作(処女作?)と似合ってないでしょうか?
下手くそだが、15時間以上掛かって真剣に取り組んだ。
何故こんなに手間かけて楽しいのかわからない・・・
次はもっと上手に作るもんね
写真を見てくださってありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
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