第２５話 せっかちドラゴンを持った人の人生例

せっかちドラゴンは　短気ドラゴンともいいます。

まずこのドラゴンがどう働くか　全体のイメージを理解しやすくするために　モハメッドの例を紹介します。

モハメッドのストーリー

中東の田舎で生まれたモハメッドは　奨学金を獲得し　子供のころからの夢だったアメリカ行きを実現しました。それまで　自分は楽しみの少ない人生だと感じていた彼は　アメリカではじっとしていられずガールハントに精を出すようになりました。しかし彼はそれを少しも楽しめませんでした。

彼は魅力的でしたが　プレイボーイという噂がたち　女性たちに逃げられるようになったのです。彼の中には短気ドラゴンがしっかり棲みついていました。

彼は在学中にサイドビジネスを始め　それは大成功を収めました。しかし　成功すればするほどなにかに駆り立てられるようで落ち着かず　孤独で不幸でした。その気持ちから抜け出そうとして彼はさらに先を急いだのです。ドラゴンの計画通りでした。

卒業した彼はサリーという女性と出会い　そのゆったりとした態度に惹かれていきました。彼女といると彼はリラックスできるので交際は順調に進み　二人はやがて結婚しました。

ところがハネムーンから帰ると　ドラゴンのリベンジが始まったのです。彼のせかせかした態度が復活し　リラックスした時間も会話もなくなりました。彼は彼女のペースがのろいとなじり　細かいことにケチをつけ出したのです。短気特有の不寛容です。そして二人の結婚生活は危機に瀕しました。

仕事にも行き詰まるようになった彼は　遂に東洋のヨガや瞑想の先生のもとで修業を始め　瞑想によって仕事のペースを落とし　ヨガによって体をリラックスすることを学びました。すると今までの苦しみは自分が創り出していたこと　人生を逃してしまうという恐怖のために　いっそうそれを逃していたことに気が付くようになりました。

物事をゆっくり行うようになった彼は幸せになり　今までよりずっと多くのことができるようになりました。短期ドラゴンは大敗を喫したのでした。

 

以上です。

このように　短気ドラゴンというものは　時間という尺度が存在する３次元の世界でのみ存在し　人間の成長ゲームのツールとして魂が設定したものです。人生は一度きりしかないと思う人が多いこの世界では　このようになおさら焦りが生じます。次回ではこのドラゴンが成長するさまをお話しします。

（続く）