ただごと

たいくつこそがすばらしい!日常のただごとをただごとでない風に綴るのらくら日記

最新巻

2011年03月24日 | 今日の本棚

近所のツタヤで発売日に入手できなかった本は大体、入荷数が少ない本だ。

これはもう都会まで探しに行かないと手に入らないな、と思っていたら、

駅前のちっさい本屋の方にあった。

 

■他人暮らし(谷川史子) 全1巻

 

遠くの親類より近くの他人、という言葉を思い出した。

なんとなく。

 

 

  

遠くのでっかいツタヤより、近場のちっこい本屋の方が頼りになる。

とか云いたいのか。

(いや、発行部数が少ないものは小さい所が穴場だな、と思ったもので)

 

それはともかく。

このマンガ、登場人物は三十路の彼女たち。

もうもれなく全員に感情移入できる!

 

「私たち誰かをちゃんと愛してみたい」(帯のコピー)

 

そう!そうなんだ!ちゃんと愛する、って

結構本気で願う気持ちなのに、そうそうたやすくは叶わない。

家族でも友人でも恋人でも、あるいは隣人でもいい。

 

だれかを「愛する」って、自分が一番癒される行為なんだと思う。

 

しかし自分は、「一人属性」だ。この本でいう、純花ちゃんだ。

友人も家族も恋人もちゃんといるんだけど、

究極に自分の幸せを追求していけば、最終的な結論は、

「一人が一番良い」

そんな純花ちゃんに深く同意する。

 

同意するが、自分は旦那様と暮らして7年。

孤独が最上級の幸せだと思っていたのに、7年。

一生、家族をもつまい、と硬く決意していたほどなのに、7年。

7年という「一人でなかった時間」が、とてつもない奇跡の様で、

周りに在る全ての人を拝まずにはいられない。

 

だから、純花ちゃんも大丈夫だ。

「一人」を悲観する必要も、そんな自分を卑下する必要もない。

 

人はもともと孤独な生き物だ。孤独だから一人を愛するんだ。

だからこそ、自分が一番自分らしい自然体でいることこそが、

誰かを愛することへの、「自分だけの」近道なんだと思う。

 

そんな風に言える大人になった、ということだけで、

自分自身の駄目駄目人生が、わずかでも癒されたような気がする。

 

いや。

マンガの登場人物に真剣にそんなことを言う大人になった、というのは

かなりの危機感を感じなければいけない所なのかもしれんが。