参院選直前で毎日大車輪で走り回っているが、読書はやめられない。朝の1時間とかをあてて、好きな時代小説を中心に読み続けている。
平岩弓枝の「新・御宿かわせみ」シリーズの4作目。『蘭陵王の恋』を読んだ。今年の3月1日発刊の本で、大野図書館に新刊で届いたばかりのを見つけ借り出して読んだ。
「新・御宿かわせみ」の中心人物(主役?)の神林朝太郎は、このシリーズに先立つ「御宿かわせみ」で「かわせみ」の女将の連れ合いだった、神林東吾の子どもである。東吾は明治維新の時、幕府方の軍艦に乗船していて沈没し行方不明になっている。麻太郎は、様々な経過を経てイギリスに留学し医師となって、バーンズ診療所で働いている。今回の作品では、麻太郎の留学時代からの友人である清野凜太郎が姿を現す。凜太郎は京の公家の一族で、西洋音楽を学ぶために留学していて麻太郎と知り合いになった。「かわせみ」にやってきた凜太郎が麻太郎の腹違いの妹・千春を見初め、恋を抱く。最後は凜太郎と千春の結婚が決まるのだが、凜太郎は演じる能楽の題が「蘭陵王」なのだ。
御宿かわせみを中心に、維新後の日本の情景を描きながら、その中に事件を織り交ぜ相変わらずの波乱万丈の話を展開し、飽きさせない小説だと思う。
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