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葉室麟の直木賞受賞作品、『蜩ノ記』を読んだ。『いのちなりけり』に続いて2作目である。
主人公である壇野庄三郎が、あることで友人と刃傷沙汰となり若くして隠居の身分になってしまう。そして、幽閉されている戸田秋谷という人物のもとで、藩の歴史を作成する手伝いをしながら実はその人物を監視する役を命じられるのだが、徐々に秋谷の影響を受ける。その人物の幽閉された向村での騒動や、それにからんで秋谷の息子の郁太郎の行動、それを見届けようとする正太郎の動き、最後は従容として切腹してはてる秋谷など、武士とどうあらねばならぬか、凛とした作風の作品である。
葉室麟は1951年の生まれであるから、今年61歳であろうか。直木賞を受賞したことで知られるようになるまで、私は知らないできた作者である。まだ未読の作品があるようなので、機会を見つけ読みたいと思った。
主人公である壇野庄三郎が、あることで友人と刃傷沙汰となり若くして隠居の身分になってしまう。そして、幽閉されている戸田秋谷という人物のもとで、藩の歴史を作成する手伝いをしながら実はその人物を監視する役を命じられるのだが、徐々に秋谷の影響を受ける。その人物の幽閉された向村での騒動や、それにからんで秋谷の息子の郁太郎の行動、それを見届けようとする正太郎の動き、最後は従容として切腹してはてる秋谷など、武士とどうあらねばならぬか、凛とした作風の作品である。
葉室麟は1951年の生まれであるから、今年61歳であろうか。直木賞を受賞したことで知られるようになるまで、私は知らないできた作者である。まだ未読の作品があるようなので、機会を見つけ読みたいと思った。
秋谷の屋敷は岩手・遠野、慶仙和尚が住職を務める長休寺は日本三景松島の円通院、物語のクライマックス、秋谷が庄三郎と郁太郎を助けに中根家老の屋敷に乗り込むシーンは会津若松でロケされました。
戸田秋谷ー役所広司、庄三郎ー岡田准一、薫ー堀北真希
織江ー原田美枝子、松吟尼ー寺島しのぶ。
小泉監督が黒澤明直伝の撮影を敢行、張り詰めた現場から素晴らしい日本映画誕生の予感がします。
葉室 麟ー1951年 北九州市生まれ。西南学院大学 文学部 外国語学科 フランス語専攻卒業、地方紙記者 放送局ニュースデスクを経て53歳で文壇デビュー。大学時代は映画研究会と俳句部に在籍。