山之上もぐらの詩集

山之上もぐらの詩集

山之上もぐらの詩集

2024年01月17日 | 日記

たんぽぽ

 

舐めると その味は 舌に苦かった

もう白い乳液が にじむこともない

紅を差した美しい死化粧で

その茎は 天(そら)に向かって 冠を掲げていた

 

優しいエンタシスの柱頭で

宇宙は 爆発している

たんぽぽのビッグバンは

信じられない質量の軽さと 明るさに満ちて

無数の星を生み 成長させている

 

宇宙の殻が 今 壊れる!

 

恵(めぐみ)が 息を吹いて

星の子供たちが

春風の中に 飛んだ