山之上もぐらの詩集

2024年01月25日 | 日記

死臭


今朝 黒ねこが死んだ
誇り高い黒いのらねこだった
そののらねこが放つ死臭が懐かしい

この家に引っ越して来てから
何匹のねこが死んだろう

最初のねこは 母が弔った
そして母が死に父が死に
後を追うように 二匹の飼いねこが死んだ

それから僕は 何匹のねこを弔ってきただろう
何度 彼らの死臭を嗅いだことだろう

父と母が亡くなってから 何年が経つやら
何をしてきたのやら 僕の記憶は疎い

ただねこ達の死臭と その弔いを憶えているばかりだ
存命の父と母の身体が 発し始めていた微かな死臭と
その弔いを憶えているばかりだ

僕の肉体も 微かに死臭を発し始めている