泣かさんといて
傘を差し掛けてくれはった
小雨いけずなあべの橋
嬉しいくせして 強がり言(ゆ)うて
いらんお世話や かまわんといて
ずっと待っててくれはった
電車 流れる橋の上
いま来たとこや と 嘘つきこいて
あほな私を だまさんといて
雨の緑が 水面に揺れて
恵沢園は 見ごろ花
辛気くさいの きらいやねん
すねてみたけど 逢うの坂
娘心に 此花さいて
ドンなあんたが 忘られへん
黙って聞いてくれはった
鳩がつくぼる 天王寺
ヤンチャばっかり して来たんやで
こんな私で かまへんのん
亀井の水に 思いを浮かべ
胸の鐘つく 六時堂
なんでそんなに 優しいのん
通天閣は 夕まぐれ
口で言(ゆ)うほど おませやないの
うちもあんたが 好きやねん
なんで涙が 出るんやろ
わたしホンマに あかんたれ
そんな顔して 見つめんといて
うぶな私を 泣かさんといて
雨の上がった 泣き顔そめて
夕陽丘は あかね空