A DAY IN THE LIFE

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次世代テレビ放送はどうなるか? (9) 大画面テレビでデジタル放送をみているか?

2011-08-22 | Weblog
さて、テレビ離れを解明していく前に、自分自身の周りを振り返ってみよう。
デジタル放送に大画面テレビは切っても切れない関係。ハイビジョンになり高精細の画面、5.1chサラウンドの音声にも対応するデジタル放送になり、それを視るにはやはり大画面テレビが最適・・・・・。と誰もが思ったし、世の中の風潮もまさにそのような雰囲気だった。

とりあえず自分の状況をレビューしてみよう。実は自宅の大画面テレビはすでに2世代目になった。最初に買ったのは10年位前だろう。SONYのプラズマの42インチを購入した。結構高い買い物であった。まだまだ大画面テレビは珍しかったし、以前のテレビと較べて圧倒的な画面の大きさと綺麗な画面にテレビ放送を改めて見直したものだ。CATVのデジタル放送対応への加入もほぼサービス開始後すぐだった。
オーディオも好きな方だったので、AVアンプに替えて5.1chなるものも体験した。映画の迫力は映画館には及ばないものの、従来のテレビとは全く違うことが分かりテレビでの映画視聴の機会は確実に増え、ますますデジタル放送への期待が高まった。

それから、月日が経ち今年になっていよいよデジタル放送への完全切替の年を迎えた。しかし、地上波の番組でハイビジョンを活かした番組は相変わらず数えるほど、以前と何も変わっていない。NHKはまだしも、民放はハイビジョン放送どころかそれ以前の問題として見たい番組を探すのにも苦労する。せっかくの大画面テレビが宝の持ち腐れになりそうだが・・・・。

ちょうど自分が実家の年寄りの面倒をみなければならなくなったこともあり昨年から自宅と実家を行ったり来たり。自分用のテレビを実家に設置することにした。買ったのはパイオニアのKUROシリーズの最終モデル。パイオニアのプラズマは色の良さに定評があったが確かに綺麗だ。このような技術の最先端を誇っていた機器が商品として生き残れないのはおかしな世の中になったものだと思う。これも「単体のデジタル化」による負の効果のひとつだろう。

一方で、自宅の初代プラズマも新製品と較べるとだんだん画質の悪さが目だってきたが、ついに画面の色バランスがおかしくなりご臨終。価格も下がってきたので、修理にお金をかけるよりも買い替えをすることにした。自宅はパナソニックのビエラ。10年前と較べると確かに安くはなったので買い易くなった。女房はもっぱらテレビ視聴中心。前のプラズマよりも綺麗になったので特に不満はないようだが。自分はパイオニアと較べてしまうせいか今ひとつだ。パイオニアの技術もパナソニックに引き継がれたと聞いてはいたのだが。

さて、実家の方にセットしたパイオニアのプラズマだが、今まで持っていたAV機器の引越しも行ってそれらと一緒に置いた。JCOMのCATVのチューナー、ブルーレイ&HDDはDIGA、今までハイビジョンをお手軽に録画していたRECPOT、古いVHS&βのデッキ、Ipod用のデジタル出力をとれるDock、AppleのデジタルAVケーブル、などなど・・・。自宅のほうには、古いDVDレコーダー、レザーディスクなどまだまだある。機器とケーブルが散在していてすでにテレビ側の入力端子が足りない。さらにはテレビの音声を出すためのAVアンプに、オーディオアンプ。これだけつなぐと大体のものはテレビの画面に映し出せるし、オーディオも大型のスピーカーで聴く事ができるようにはなったが。

何事もそうであるが、技術的にできるというのと、日常使えるというのは意味が違う。技術者は当然だが常に「技術的にできる、できない」で語っている。これを真に受けて、使ってみると「いつどこでそんな使い方をするのか?」といった疑問を持つことが良くある。今回自分も色々試してみたが、当然だが現時点では便利なものだけを使う使い方になっている。メーカーも機能を活かした生活提案ができるようになれば本物だ。

まず、テレビ放送はよっぽどライブで視る必要性があるものでないと録画してしまう。放送時間に合わせて生活時間を合わせることはなかなかできない。HDDレコーダーの録画容量が多くなっているせいもあるが思いついたら録画だ。EPGが標準仕様になって勧め番組なども選ばれてくるので便利。ライブで見るものといえば、ニュースかスポーツ物。ところがニュース番組は、朝のワードショーも含めて大画面では見ない。場合によっては携帯のワンセグで「ながら」で聴いていることも多い。面と向かってみる時は、録画した映画やDVDなど。自分は時間的にはこれが一番大画面テレビを見ている時だ。最近この大画面に張り付いてテレビを見たのは、あの震災の時。ライブ放送の圧倒的な優位性と、視聴者側のニーズが合ったのはこの時位である。もし自分に視聴率調査のメーターでも取り付けたら、視聴率にカウントできる番組はほとんど視ていない事になってしまうだろう。

さて、せっかくの大画面テレビ。録画したものをじっくり観ようと思ってもなかなか時間が無い。昔ビデオテープレコーダーが普及した時もそうであったが、1日は24時間しかない現実の壁がある。録り貯めが増えるばかりだ。NHKの番組は録画も面倒になり、オンディマンドの契約をしてしまった。
そのような中で、大画面に向かう時間が増えたのが”YouTube”の視聴だ。テレビパソコンなるものが世に出てから大分立つが、パソコンの利用環境、いわゆる椅子に座って40cm位で画面に向かう姿勢で長時間映像を見るのはどうもなじめない。短時間であれば良いが、最近は長時間も動画コンテンツも増えてくるとどうしても少し離れた状態で、場合によっては寝そべって視聴したくなる。という訳で、最近はテレビの前にIpad持参で、それを繋いでみたり、テレビのネット接続でみたりする時間が多くなった。これが、自分の大画面テレビの今の利用状況だ。今後テレビ受像機側のネット接続とアプリがますます大事になるような気がする。

自宅の女房は自分と較べるとテレビ中心の生活。最近忙しくしているようなので適当に録画をしながら自分のタイムテーブルを作ってテレビを視ている様である。平均的な視聴者像かもしてない。そういう彼女も最近はパソコンに向かう時間が増えたようだ。ノートパソコンを使いながらの「ながら視聴」が増えたとか。

要は、生活者にとって、「テレビ視聴」は「伝送路」や「視聴する機器」の問題ではなく、当たり前だが中身の番組の話。それが視たい物か、そうでないかが一番だ。さらに、リアルタイム放送で観たいか後でゆっくり自分の時間に観たいかも番組の中身の話だ。
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