皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。惜しかったです。昨日アメリカはドジャーススタジアムで行われました、WBC の準決勝、日本対アメリカは一点を争う好ゲームでしたが、日本は惜しくも一点差で敗れ、優勝を逃しました。しかしながら、相手はバリバリのメジャーリーガー、しかも第一線クラスです。そのチームと互角の試合をした日本チームはかなり強いということでしょう。アメリカの監督は先発した巨人の菅野投手を大絶賛してましたね。また三年後頑張りましょう。では本題へ。
精密医療にも課題はあります。
まず、生活習慣病のリスクの違いは個別の遺伝子配列の違いではほんのわずかな差のみとなることです。
そして、そのような遺伝子配列の違いについて本人が知ったとして、生活習慣改善につながるかどうかが不明なことです。
乳がんや卵巣がんの原因とされるBRCA遺伝子異常を持つ患者は乳がんや卵巣がん患者の約5%のみです。
BRCA遺伝子を発見して治療(予防的乳房切除)を行うことで乳がん死亡のリスクを下げた人々は、全乳がん患者のうちほんのわずかなのです。
精密医療の初期研究デザインは、データマイニングと呼ばれる「仮説なき発見」を主体としています。
特異的な遺伝子配列と病気との関連について因果関係を証明するためには、研究対象者の選択や個々の背景因子によるバイアスも考えて慎重に判断しなければなりません。
その意味では、精密医療の研究も「仮説と検証」という自然科学の研究方法の基本方略を守る必要があります。
また、精密医療では、個別化を進めていくために、大規模臨床試験が本質的に難しくなっていきます。
Nof 1研究(1人の患者に対してトライアル・アンド・エラー式に薬を試して効果を測る)が主体となるでしょう。
Nof 1研究を進めていくためには、「勇気」あるボランティア患者の募集が必然となります。
待望のシリーズ第三弾!テレビや新聞より早いグローバルな情報や科学的に正確なエビデンスに基づき、サプリなどの宣伝なしの信頼性の高い中立な情報をお届けします。キンドル版「知っておくと役に立つ最新医学2017(ノンフィクション)」こちらいかがでしょうか。
科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。2016年のメルマガまぐまぐ大賞「健康」部門5位に選ばれました。
迅速・的確なトリアージができる!ナースのための臨床推論 [単行本] [2016] 徳田安春、こちらナースの皆様はもちろん、これからナースを目指す方、看護の情報を知りたい方にもどうぞ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます