総合診療医からの健康アドバイス

健康や医療に関する情報をわかりやすくお届け致します
ステキな沖縄の風景も少しお届けします

正しい脂肪の摂り方 その1

2017-01-04 07:35:45 | 医療情報

 皆様、明けましておめでとうございます。年末年始はどうお過ごしになられましたか。私は殆ど実家で寝正月でした。なので本日から元気にお届けできると思います。今年も当ブログを宜しくお願いします。今回からできるだけ毎日、健康に関する情報をお届けいたします。それではまいりましょう。記念すべき第1回は脂肪についてです。

 

飽和脂肪酸はそんなに悪くない

 

飽和脂肪酸の摂取はそんなに体に悪くない。


そんな研究結果が最近出ています。


飽和脂肪酸は、動物の肉やバター、乳製品、などに多く含まれる脂肪です。


また、ココナッツ、ココアにも多く含まれています。


これらの食品が好きなひとには朗報ですね。

 


 これまで、飽和脂肪酸の摂取は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の血中濃度を上げるので、動脈硬化症を促進して心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスクとなるであろう、といわれていました。


たしかにLDLコレステロール値が高いほど動脈硬化症のリスクは高くなります。

 


 しかしながら、飽和脂肪酸の摂取でLDLコレステロール値が上がった場合に動脈硬化症のリスクが上昇する、ことは示されていないのです。


 人間の体内で起こっている代謝現象の全てが解明されているわけではないので、「未熟な」基礎医学理論と現実のデータが一致しないのです。

 


 現実のデータをリアルワールドデータと呼び、最近の科学ではこのリアルワールドデータの重要性が高まってきています。


 多種類の臨床研究から得られたリアルワールドデータを統合して分析する方法をメタ分析と呼びます。

 


 飽和脂肪酸とさまざまな健康リスクについて、12種類の研究を統合したメタ分析結果が最近発表されました。


 それでもやはり、総死亡、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)、脳梗塞、糖尿病罹患などのリスクと、飽和脂肪酸の摂取量には関係がないことが示されました。

 

次回に続く。


 

待望のシリーズ第三弾!テレビや新聞より早いグローバルな情報や科学的に正確なエビデンスに基づき、サプリなどの宣伝なしの信頼性の高い中立な情報をお届けします。キンドル版「知っておくと役に立つ最新医学2017パート3(ノンフィクション)」こちらいかがでしょうか。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。2016年のメルマガまぐまぐ大賞「健康」部門5位に選ばれました。

 

迅速・的確なトリアージができる!ナースのための臨床推論 [単行本] [2016] 徳田安春、こちらナースの皆様はもちろん、これからナースを目指す方、看護の情報を知りたい方にもどうぞ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 早期リハビリの重要性 | トップ | トランス脂肪酸の真実 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

医療情報」カテゴリの最新記事