八咫烏シリーズ第2部第3巻
今回は長束の路近に対する違和感から始まって、長束の物語かと思いきや、雪哉のライバルであり師でもある翠覚や清賢の生い立ちの物語です。
登場人物それぞれに生い立ち、過去があり、今があり、やがてがある、それがとてもよくわかります。
その意味でこの巻は、やがてへ向かう一時の静寂。
プロローグ。
いよいよ成長した紫苑の物語が始まりそうな。
かっこいい登場曲が聞こえてきそうでわくわくしてきます。
もしかしたら、金烏は自分にもしものことがあれば、娘を育てるのは翠覚だと見越していたのかもしれません。見越すというより願ったと言った方が良いかも。
長束、皇后、雪哉…気になる人物が多いのもこのシリーズの魅力。
次作はみんなどうなっているのでしょう?
危うい山内のこと、戦いになるのは目に見えていますが、私の希望としては雅な世界も描いてほしいな。
<本文より>
「馬鹿を言え、地味な道こそ、一番苦しくて、一番まっとうで、だからこそ一番楽しいではないか。それが理解できぬとは、お主まだまだ子どもだったのだな」