青鳩(おーばーとぅ)から鳩(ばーとぅ) 屋者の(やじゃ)の上(うぃ)ぢ啼くな
屋者ぬ稲道主小(にゃみちしゅぐわ)に 鉄砲し射(いゃ)ゆんど
この島唄は鉄砲のことが唄われているようで、解説によると、背中におんぶしている子供に、青鳩から鳩に呼び掛けて、怖い鉄砲で射られるよ、泣くなよ良い子と言い聞かせているようです。
泣いた子供をあやしている情景を唄ったものでしょうか。
鉄炮で射られるので泣き止みなさいというようなニュアンスには、島で鉄炮は人々に知られ、怖いものとして存在していたことが伺えます。
鉄砲といえば、薩摩の支配下にあった島で、当家のご先祖様が所持していた銃については以前に書きました。
明治期になり銃の所有については登録が必要となり、その申請書の下書きらしきものが残されています。その下書きによると銃が必要な理由としては、後蘭地区の鳥獣除けとありました。
なぜ所有していたのかは不明でしたが、銃の使用は薩摩の代官たちの独占ではなく、島役人も使用していたそうです。薩摩統治以降に島役の与人として代々島の統治にあたっていたご先祖さまでしたので、その銃が明治期まで当家に保管されていたのでしょう。
この唄は薩摩侵攻後の1609年以降に唄われていた可能性がありますね。
そしてこの島唄からご先祖さまの銃のことが1つ謎解きできました。