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先祖を探して

Vol.267 シニグ祭 (3) 御墓祭2

シニグ祭の中で開催される「御墓祭」では、和泊町誌民族編には附言として不思議なことが書かれています。

附言
御墓祭りに際し、陽家より参列せざれば式を始むること能はざりし所以は、陽家の人が夢に世之主がなしのお姿を拝し、之より御像を製し奉りし勲功によりてなるか又古代陽家と世之主がなしとの間に関係ありてなるか、古事の徴すべきものなきを以て分明せざれども、兎角此間に深き関係のあるは察知せらるる所なり。



参列者の陽家ですが、こちらのお宅はどうも当家の親族になるようです。お爺様が書き残した親族会の名簿にも名前がありますが、どこでどう繋がった家なのかは分かりません。薩摩時代には与人などもされていたお宅です。分家になるのか、婚姻によって結ばれた親族になるのかは定かではありません。

この陽家の参列について書かれている内容を読み解いていくと、「夢に世之主がなしのお姿を拝し」とは、夢に出てきた世之主を拝みということでしょうか。そして「その御像を製し奉りし」とは、夢で見た世之主の姿を拝み、そしてそれを「製し」とは「作る」ということでしょうから、何かを作ったということかもしれません。それは、もしかしたら世之主神社に奉納されている世之主の御神体のことかもしれません。
この御神体、いつ・だれが作ったのかは分からないのです。
附言には、何か勲功(世之主に仕えた勲章)としてそのようなことをしたのか、それとも世之主との関係が何かあるのかは分からないというようなことが書かれています。

当家と陽家は親族であるようですので、神社建立の際に御神体として陽家の方が制作されたと見れそうですね。




実はこの件、島の方のサポートにより陽家の子孫の方にお話を伺う機会がありました。ずっと疑問に思っていたことだったので、どういった関係かなどお聞きしてみたのですが、残念ながら現在のご当主の方も当家との関係は分からないとのことで、町誌に書かれている内容も伝承されてはおらず全く分からないとのことでした。
当家のことも含め、島の歴史はどんどん忘れ去られていく現状に、少し寂しさを覚え、文字で記録を残していく必要性を強く感じた瞬間でした。


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