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先祖を探して

Vol.52 ちょっと変わった屋号

まだ名字が無かった時代に各家々には屋号が存在していましたが、沖永良部島でも時代は定かではありませんが同様に屋号が使われていました。
琉球本島の王家や士族であれば名字を持つこともできたようですが、当家のご先祖様は戦いに敗れた北山王の家系。三山統一後に地方役人として大屋子などの地位についていたと言われていますが、おそらく名字は持っていなかったようです。

そんな背景ではありますが、屋号は普通に使われており、当家の親族一同の屋号もお爺様の書の中にしっかり記録されています。
その屋号ですが、実にユニークに感じるものばかりです。以下屋号をあげてみますね。

ソーヌヤ
アガリゾ
イヒゾ
クンバテヤ
デーク畑
デーク畑東
デーク畑西
ワーナスク(ウヒハナグスク)
サクマ
平安功屋
ナカブラ
ハナガイ
アラザト
上金城屋
フーヤ
スナチ

ざっとこんな感じです。初めてみたときには、何だか意味不明な言葉の屋号に驚きましたが、それは島言葉に関係があることが分かりました。
例えば、「デーク」これは島にある竹の木のことのようです。その木々が生い茂っているところに住んでいるので、「デーク」という屋号をつけていた。
「アガリゾ」は「あがり」が東という意味で、「宗の本家の東にある宗家」と言う意味です。
「ソーヌヤ」は「宗の家」で宗の本家のことです。
島言葉が分からないと何だかへんてこな屋号のように思いますが、意味を見ていくと違った面白さがありますね。

明治時代になって名字を持つようになったので、屋号はだんだん使われなくなっていったのですが、それでも本土に比べると長い間使っていたようです。もちろん、もう今の若い世代では屋号は殆ど使われることはないそうです。
屋号も歴史遺産ですので、子孫への資料として整理して保存しようと思います。



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