「神無月の巫女」
それは萌えアニメのヘタレな癖にハーレム状態の男主人公より遥かに好感度抜群なヒーローなのに、救いがたいほど当て馬っぷり、BL要素提供がせいぜい俺のできることだったよ兄さん、な大神ソウマの片想いラブストーリー(嘘)
――以上。
「管理人はどうやら書き逃げしたらしいな、ユキヒト君」
「なにせ、『姫子と千歌音がいればそれでイイ!』なんて豪語してる人間ですからね。ソウマさんの存在も初っ端から無かった事にする気ですね」
「致し方あるまい。積年の想いこそ実らなかったが、ソウマとて体を張って、彼女達を最後まで護り抜いたのだ。その奮闘振りは伝えておくべきだろう。ここはひとつ我々が一肌脱がねばな」
「では、僕のほうから簡潔に。大神ソウマさんは、僕の玩具です!(きっぱり)
以上!」
「それでは、あっさりし過ぎだろう。もっと、オロチ衆との因縁も含めて語れないものかね?」
「そうそう。実のお兄さんはボールが友達しかいません」
「それは、ツバサ違いだよ(怒)」
「乙橘学園では、神(ジン)様の愛称で親しまれています。麻宮サキの知り合いみたいな命名ですねえ」
「姫宮君とは学園の人気を二分するアイドルのようだ。立派に育ってくれて、私としても鼻が高いよ。女子学生にはもてるのだが、どうも男友達との交流が少ないせいか、色恋沙汰には疎いんだがね(苦笑)」
「フフフ。彼に近づく野獣どもは、僕が片っ端から闇に流してますから…」
「なッ?!君ならやりかねんな。君と一緒の時に、ソウマのオロチの力が高まっていた事もあったね…もしやユキヒト君が八の首で、共鳴しあっているのではないかと勘繰っていたよ」
「いやだなぁ、先生。冗談ですよ。でも、僕が八の首だったら、ソウマさんとツーショットでDVD表紙に顔出しできたかもしれないと思うと、少し残念です」
「いや…君が登場すると、誤解を招く恐れがあるからね…」
「巻数がもっとあれば、最終巻ではアメノムラクモを背景に僕とソウマさんが、
お揃いの宮司服で愛のロンドを踊っているに違いないです」
「そんな看板に偽り有りな、パッケージ絵のDVDは誰も買わんよ」
「先生は僕とペアで表紙を飾れなかったから、拗ねていらっしゃるんですね?」
「……ッ!(言葉に詰まる)」
「ミーたんのオロチ愛の懺悔室にも呼ばれなかったから、ご機嫌ナナメにゃーの♪」
「…ネココくんの声真似はやめたまえ(怒)」
「ところで、第三話のソウマさん、半裸体で華麗な足蹴りを披露してくれました。少年らしい細い首、指でなぞりたくなる鎖骨。甘い容姿と均衡のとれた強靭な肉体。波打つ鍛えられた胸板。そして流れる珠のような汗…ああ、もう惚れ惚れしますよ。来栖川さん達に負けず劣らずいい脱ぎっぷり、お姉さん方必見です」
「妖しい眼つきで語るのはやめなさい…どうも、君の見方は偏っているね」
「しかし!あの時のズボンがどうみても年寄りの下着です(爆)」
「…あれは帯はないが空手道着の下じゃないかね?いつも着たきり雀の我々とは違って、ソウマのデート服は若者らしく洒落たものだったな」
「実は僕の貸した服なんですよ。雨に濡れていたからクリーニング代請求したら、半泣きになっていましたね、ハハハ……ほんとはクリーニング出してませんけどね」
「む、君は鬼だね。まさか、その脱いだ服を抱きしめて息を荒げたりしていないだろうね?」
「……(にやり、と無言の微笑みで応ずる)」
「…ま、それはともかく。来栖川君との満天の星空の下での……ゴホン…ああ、その…男女の口の交わり…の場面はだね、美しいものであったね」
「姫宮さんの耳に届いたら、刺されそうな台詞ですね。あそこは彼の人生最大の晴れ舞台でしたよ。妬けちゃうくらい、全く絵になる風景でした。学園祭の舞台劇の台本の読み合わせのついでに、僕とキスの予行演習も積み重ねた甲斐がありました(爆)」
「また事実を捏造するような発言を…(呆れ顔)」
「大丈夫です。賢明な読者の皆さんは、こんな廃れブログの世迷言に耳を貸したりなんかしません。ソウマさんの本当は、一見して受け取るべし!ですね」
「そう、願いたいものだね」