漫トラ日記

現実生活空間&脳内妄想空間を日々マンガに浸食される主婦の怠惰な日常

球春到来♪

2008年02月01日 15時27分30秒 | 野球
2月1日は球界人のお正月!
各球団一斉にキャンプインです
プロ野球ファンにとっては、待ちに待った季節到来です

わがタイガースも沖縄宜野座でキャンプイン~♪
SkyAのキャンプ中継も始まります
単にピッチャーがブルペンでキャッチボールしてたり
野手がバッティング練習してるだけの映像なんだけど
冬場の野球に飢えた目には、
選手がユニフォーム着て動いていてくれるだけで嬉しい
ダンナは渋い顔するけど、私にとってはテレビが一番楽しい季節が来ました
これから、毎日野球漬けの日々が始まります~~

ジョージ・R.R.マーティン『タフの方舟』①②

2008年02月01日 01時12分29秒 | 


ハヤカワSF文庫です
作者は『氷と炎の歌』シリーズ(“夜”は個人的に史上最高のファンタジーだと思ってる)を
書いたジョージ・R.R.マーティン

このマーティンと言うお方、なかなか個性的なキャラをお書きになります
例えば、「氷と炎の歌」に出てくるティリアン
名門貴族の家に生まれながら生まれつき発育が悪く、インプと蔑まれて育った小男
それだけに少々卑屈な所はあるものの心優しく頭脳明晰で
物語の主要キャラの一人です

さて、この「タフの方舟」の主人公、ハヴィランド・タフも相当変わってます
まず身長2メートル50で太鼓腹の持ち主
無表情な長い顔に大きな手、その上、ツルッ禿でまっ白な肌
1巻の表紙絵はタフを描いたイラストだけど
私はミシュランタイヤのキャラクターのイメージが頭に浮かびましたわ
そして、人に触られるのは大嫌いだけど、猫はこよなく愛する商人(とってもあこぎな)です
でも、一番面白いのは大仰大時代なもって回った彼の語り口調
○「ごもっとも、まことにもってごもっともでございます。」
○「お客様の軍事の才には、手前ごとき、遠くおよぶところではございません。さすがに軍事史家だけのことはおありです。しょせん手前は、ただの卑小な商売人。・・・」(戦争ゲームでタフが散々勝った後の台詞)
○「貴方はどうも、猫の価値を適切に評価しておられないようですな、守護士どの。猫は文明の程度の指標となる生物なのですよ。いかなる世界も、猫がいないかぎり、真に開けてるとは申せません。」
○「すっかり失念しておりましたよ、貴方が元役人だと言うことを。どうりで能無しのはずだ」(借金の形に働かせた男が役立たずと知って)

等々、ものすご~くへりくだってて大げさで理屈っぽくて
でも、皮肉に満ちてる台詞に思わずニヤリとしてしまうのですよ
これは、そのタフを主人公にした7編の短編集です

第一話「禍つ星」
タフが方舟を手に入れるまでの物語です
方舟とは、千年の昔に失われたバイオテクノロジーを満載した戦艦のこと
タフはあらゆる生物のDNA情報とそれを合成・クローニングする技術を持った船を巡る争奪戦に巻き込まれます

第2話「パンと魚」
方舟のテクノロジーを使って、環境エンジニアとして商売を始めたタフ
前話の争奪戦で傷ついた船を修理するためにス=ウラスム星に寄航することに。。。
ここは最新の科学技術を誇る星だったが
産児制限を善しとしない宗教的理由から、人口過密と慢性的な食糧不足に悩まされていた
いそのため、タフのバイオ船をあの手この手で手に入れようとするが。。。

ここ宇宙ステーションの長官トリー・ミューンがとっても魅力的
と言っても、美人と言う意味ではございません
がさつだけど、仕事が出来て一本筋の通った中年女
この話を含めて3話に出てくるけど、どれも良い味出してます

第3話「守護者」
人類が入植してほぼ1世紀の惑星ナモールでは、
最近頻繁に新種の生物による攻撃を受けて甚大な被害を受けていた
最初は海、次に空、陸と被害は広がるばかり。。。
それらの生物を退治することを求められたタフの採った手は?

ここで、表紙絵でタフが抱いている黒猫が誕生
名前はダックス。エンパス能力のあるネコです
ネタバレになるので詳しいことは書きませんが、最後に出てきた生物が面白い

第4話「タフの再臨」
未払いになっていた船の修理代を払うため、再びス=ウスムス星を訪れるタフ
彼のおかげで食糧事情が好転したはずの星は、ますます危機に陥っていた
再度、タフの船を手に入れようとするトリー・ミューンとタフの丁々発止のやりあいが面白い

第5話「魔獣売ります」
十二家が大型捕食獣を戦わせることで生計を立てている星ライロニカ
その十二家の一つから声を掛けられ、強い魔獣を用立てすることになったタフ
その家の魔獣はどんどん勝ち進むが、他の家も同じように魔獣をタフに依頼するようになる
さて、その行く末は。。。

作成年代で言えば、これが一番最初に書かれた作品
そのせいか、タフのキャラにちょっとユーモアが欠けてますな~

第6話「わが名はモーセ」
見知らぬ男にいきなり殴られそうになったタフ
生物を操って彼の星の文明を破壊したモーセと名乗る男の影に、タフがいると誤解したのだった
男の星に向かい、濡れ衣を晴らすタフ

第7話「天の果実」
三度、舞台はス=ウスラムへ
ローンを払いに来たタフ
が、またまたス=ウスラムに捕らえられそうになる
しかも、今度はス=ウスラムは爆発的人口増加のせいで周辺惑星と一触即発の戦争の危機にあった
それをタフがいかに解決するか。。。?

ここでタフは節制の無い人口増加とネコの野放図な生殖を比べています
で、本筋には全く関係ないんだけど、
我が家の近所で出没する野良猫オバサンを思い出しましたわ。。。
飼えもしない野良猫にわざわざ遠方から餌をやりに来る人がいるんですよ
食べ残しの餌は汚いし、おしっこは臭いしで、結構近所迷惑になってます
これって、飢えた野良猫をかえって増やすだけで
とっても無責任な行動だと思うんだけど、どう思う?
でも、本人はいたって真剣に動物愛護のつもりなのよね~~

人間社会の方も宗教的理由や無知から産児制限をしないため、
どんどん人口が増え続け
それが貧しさを再生産させている国が実際にあります
が、今のテクノロジーではSFのように簡単に食料を増産することは出来ません
先進国の援助だけでは根本的解決にならないのも同じ
「タフの方舟」、なかなか深いSFなのです