2014年6月16日 - 2014年6月22日の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1847ページ
鬼平犯科帳〈11〉 (文春文庫)☆☆☆ ゲイの盗賊、食い放題の店で罪滅ぼしをする盗賊、自らの盗みの技を忘れられない老盗、ヘタレの同心等々、なんと個性豊かなキャラたち。悲喜こもごものバラエティが素晴らしい。10巻を越しても全く飽きない。「男色一本饂飩」兎忠にはとんだ災難。竹内武兵衛が某伝統芸能評論家と某ゲイタレントがミックスされて脳内で変換されてた。これまでで一番可笑しかった(笑)。「密告」お百が平蔵とのかかわりをちゃんと息子に話していれば避けられた悲劇かも、と思ってしまう。それだけに一層哀しい。読了日:06月22日 著者:池波 正太郎
不機嫌な子爵のみる夢は (ラズベリーブックス)☆☆☆ 登録し忘れ。細かいストーリーはウロだけど、面白かったのだけは覚えてる。安定のプリジャートン・シリーズ。読了日:06月22日 著者:ジュリア・クイン
鬼平犯科帳〈10〉 (文春文庫)☆☆☆ 今回は原点に返った感じ。マジメな盗賊改めの話が多かった。文五郎や長助、高松繁太郎は昔の罪の報いか、全員死亡。心底の悪人だったわけではないので一層哀れ。文五郎に比べ、同じように悪に引き込まれそうになった粂八は、随分贔屓されてる(笑)。ラスト、お熊婆さん再再登場で大活躍。お気に入りキャラなので、レギュラー出演は嬉しい限り。読了日:06月22日 著者:池波 正太郎
鬼平犯科帳〈9〉 (文春文庫)☆☆☆ おまさと五郎蔵がくっついた!今まで艶めいた雰囲気ゼロだったのにビックリ。幸薄いおまさが気の毒だと思っていたけど、ちと手ごろ過ぎのようなw?岸井とお静も祝言。二つのカップルがずっと幸せだと良いな。柴犬クマ、グッジョブ。あの謎の剣客の正体は何だったのだろう・・・?「狐雨」の天日狐といい、この巻は動物が大活躍。さらに痔持ちの泥棒とか、ホモの盗賊とか一風変わったキャラが多くて楽しい巻だった読了日:06月20日 著者:池波 正太郎
海賊とよばれた男 下☆☆☆☆ 下巻は、朝鮮特需・高度経済成長の波に乗って会社が大きくなっていくサクセスストーリー。楽しく読めるが、日本の大手企業はほとんど同じようなものなのでそれほど意外性はない。それよりもGHQと戦い、メジャーに組した商売敵と戦い、石油統制に走る通産省と戦い、休む間もなく走り続ける鐵造の反骨精神に感銘を受ける。この点、通産省の業界再編に逆らい続けた本田宗一郎と通ずるものを感じた。ただ、鐵造を美化するだけではなく、業界のゲリラのような国岡商店を目の上のタンコブだと思っていた既存の企業から視点も欲しかった。
ハイライトはやはり日章丸事件。イラン石油を買い付けるための丁々発止のやり取りが面白い。中でもイギリス海軍の目をかいくぐる新田船長がお気に入り。イメージは『宇宙戦艦ヤマト』の沖田艦長。読中、ヤマトの主題歌が脳内を駆け巡って仕方がなかった。
鐵造(佐三)が心血を注いだ徳山製油所も今年3月で操業終了。隔世の感がある。「石油の一滴は血の一滴」、なんだけど石油コンビナートといえば、公害の元凶だった時代もあった。そういうダークな部分はすべてスルー。完全に小説(フィクション)だと思えば、気持ちよく面白く読めたが、なまじモデルがあるだけに突っ込みを入れたくなってしまう。 読了日:06月18日 著者:百田 尚樹
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