☆ピアニスト吉田純の部屋☆

ピアニスト、編曲家吉田純のBlog。アリオーネ音楽教室主催、アリオーネミュージック代表。横浜音楽振興会代表。

前奏

2008-09-07 02:37:31 | 歌の伴奏、オペラ等
9、10月は声楽、合唱関係の伴奏の仕事が多いですね。
好きだから楽しいのですが、弾きにくいものもあります。
オペラだと弾けない場合、音を抜いたり変更したり工夫できますが、歌曲は弾きにくいから、この音抜かそうとかできないのが一般的です。例外もありますが。

中田喜直の「サルビア」
来週本番で弾きますが、この前奏の4小節は厄介です。とくに3小節目は技術的に難しい。
fis mollの音階で一気に鍵盤の右端までのぼり、そこから今度一気に左端のほうまでアルペジオで降りてきます。
技術的には3小節目が難しいですが、音楽的にこの4小節しっかり解釈して弾き、歌につなげることも大事です。1小節目mf、2小節目fそしてcresc. 3小節目を経て4小節目ffそしてrit.で歌が入ります。私は昔の恋人(別れてないかもしれませんが)に対する熱く複雑な感情が爆発するのを何とかおさえたと解釈してます。それで低音のffで4小節目なのかなと。
随所に出てくる不協和音が心痛々しい感情を表しているようです。

最後にピアノソロで感情全面に爆発させた部分が2回出てきます。

最後きめの和音は同主調でFis durの主和音で終わるのですが、その和音の中に音階の4番目の音を♯した音が左の内声に入っていて、痛切に響きます
どうしてくれるのこの私の思い!!!!!という恋の苦しみの叫びが聞こえてきそうです。

jazzでいうと♯11thで最後のトニック(主和音)で使うことあります。が、それはjazz独特の余韻を残すためであったり、ハーモニーに変化をもたらすためであったり用途が全く違うし、内声に入れたりはあまりしないで、上の方で使います。

少々専門的になりましたが、こういうような意見は個人的なものなので、あまり書くことではないと思いますが、色々想像して演奏することは演奏者の特権であり、使命でもあります。
サルビアの前奏、音楽的意味もふまえ完璧に弾けている演奏を聞いたときは、ピアニストに小さくブラボーといって下さい。


サルビア(歌詞の中で血の色と・・・確かに真っ赤)



富澤先生の合唱団の名前がまだ正式きまってなく、今日の練習後に決まりました。

「混声合唱団・謳歌」

富澤先生命名で先生の思いのこもった団名です
この合唱団の皆さんと謳歌できるように、できる限りの力添えしていきたいと思います。


お手数ですが、ワンクリックお付き合いください。
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ありがとうございます



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