くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(95)

2022-05-14 21:34:55 | 「狼おとこ」

 魔女達がここを聖地とあがめて、自分達で道を隠しているのはわかったが、連中の魔法を破れば道が開く、なんて簡単なもんじゃなかった。あいつらの使う魔法なんて、昔の連中を知ってるオレに言わせりゃ、使ってる呪文はところどころ歯抜けだし、でたらめもいいところだ。だけど道の入り方がわからなかったんで、仕方なく話を聞きに行ったのさ。ま、おまえと同じように、最後は半分言い争って終わっちまったんだけどな。
 ――見てわかったろ。星と関係があるんだよ。ここの道を開くには、その条件が揃わなきゃならなかったんだ」
「それって、ぼくと同じ、月と関係あるってこと?」と、グレイは言った。
「おまえが変身する条件と、ほとんど同じさ」と、男はうなずいて言った。「だから、今日だったのさ。そのためにオレは、審問官達の注意を森じゃなく、町の方に向けたかったんだ」
「――じゃあここって、魔女の聖地なの」と、グレイは言った。
「魔女の連中はさ、おまえ達と同じで、自分達の魔法は、この場所で授かったと思いこんでるんだ。“はじまりの場所”とかって、最初の魔女が誕生した場所だってな。
 笑っちゃ悪いが、空に向かって口を開けてたら、魔法の呪文がどこからか口に入ってきた、なんてあるわけがないだろ? それが遠い昔からの伝説なら、なお疑わしいってんだ。誰も見ちゃいないんだから、無責任な夢物語をでっちあげられる」そうだろ――。
 と、グレイは、信じられないというように首を振った。「おまえこそ、なんのためにここに来たのさ? この場所に来れば、人間に戻れるって噂は、確かに間違いだった。でも、この遺跡からは、見たこともない強い力を感じる。そんな場所で、おまえはなにをするつもりだったんだ」

「この先にいるやつに、文句を言いに行くんだよ」と、男は言った。

「この先に、誰かがいるの?」と、グレイは驚いた顔をして言った。「それはもしかして、神様かい。それとも、天使なの――」
 と、男は頭を掻き掻き言った。
「おまえが言うようなやつがいたとして、人の願いなんか、都合よく叶えてくれるはずがないだろ」――ちょっとは考えろよ。「自分達の祖先が力を授かったっていう昔から、今の今まで、この場所に通じる道を守ってきた魔女が、自分達に危機が迫っても助けてもらえず、審問官からさっさと逃げ出したんだぞ。まぁ、道を守ってきたっていうより、あいつらはこの場所を、自分達だけのものにしたかっただけだろうがな」
「ぼくも、この奥にいるやつに会いに行く」と、グレイは決心したように言った。「人間にして貰うんだ」
「それは、だめだ」と、男は首を振った。「この奥にいるのは、おまえが考えてるようなやつじゃない。命を落とすだけだ」
「――」と、グレイは黙って首を振った。
「今のおまえならわかるだろ」と、男は考えさせるように言った。「オレは命を落としても、新しい体を得てまた復活できる。だけどおまえが命を落とせば、普通の亡骸になるだけだ。いや、面白がって剥製にされるかもしれねぇな。

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よもよも

2022-05-14 06:53:18 | Weblog

やれほれ。

昨日の雨は何だったんだべか??

朝からぶちぶちが止まらんわ・・・。

仕事で出張すんのに朝から出たんだけど、

車で走れば走るほど雨脚が強くなって、

びしゃびしゃXXX

散々雨にやられて、帰るってなったとたん、

止んだ。。

スコールとまではいかんけど、

日本も気候がすっかり変わっちゃったんじゃないの??

これから雨の季節なのに、

水害があるかもって考えると、

まじ恐いわ・・・。

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