とんとんからしのあるがまま

ゆっくりと、のんびりと、ゆる〜いシニアの日々を綴ります。

黒い犬(ポエム)

2023-02-28 | 日記

あの日

麦畑の片隅に

黒い犬が黄昏ていた

 

飼い主は何処かと

辺りを見たが

人影は見当たらなかった

 

写真をと思って

iPadをとりに家に入ったら

出てきた時にはもういなかった

 

どこに行ったかと

近所に目をやると

向こうの道を走っていた

 

あれがそうかと

気づいた時

こちらの麦畑に

向かってきて

麦畑の真ん中を

横切って行った

 

そして、こちらを見ていた

左前足の膝に

大きな瘤のようなものがあった

 

わたしは、犬は

捨てられたのではないかと思った

 

首輪はなかった

 

昭和の中頃までは

この辺りには

野良犬がたくさんいて

怖かった

野良犬に噛みつかれそうになって

それ以来

犬は苦手である

 

だけど

その黒い犬が

可哀想だと思った

 

思っただけで何もしてあげれない

そんな自分に

少々嫌気が差した

 

犬はどこかへ去っていった

それから今日まで

黒い犬の姿は見ない

 

 

犬はどこでどうしているのだろう、、、