日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

ルービックキューブの日本語教育活用法

2009年10月15日 08時15分45秒 | 日本語教育
Rubik\'s Cube: 6.57 seconds


 世の中には乗り越えられる壁と乗り越えられない壁がある。一見して不可能に見えても、実はちょっとした努力で乗り越えられるものがある。僕たちはそれをしっかりと見極め、人生を賢く過ごしていく必要がある。

 ルービックキューブ。

 今まで僕のような立体センスがない人間には決して解けないものだと思い込んでいた。なぜなら、小学生の時に、いくらやっても一面揃えるのが精一杯だったからだ。でも、3週間前に友達が目の前でやって見せてくれ、誰でもできるものだと言われた時、僕の中でその思い込みが一気に崩された。

 ルービックキューブで全面を揃えるには5段階のステップを踏む。3週間かけて4段階目まで暗記し、あとは最後のステップ(3つの場合)を暗記するだけになった。これを暗記すれば、もう何も見なくても全面揃えることができる。あともう一息だ。

 30代半ばを過ぎて、記憶力が本当に悪くなったと実感する。だから、新しい段階の手順を暗記しようとすると、すぐ前の段階の手順を忘れてしまう。そのため、新しい段階を覚える時は、その前の段階の手順が完全に身についてから覚えるようにしている。

 不思議なことに、何度も練習していると、手が勝手に動くようになる。集中していないと間違えてしまうこともあるが、何も考えなくても手が一連の動作を覚えている。人間の学習能力とは不思議なものだ。

 ルービックキューブは掛け算の九九と同じ。基本的には暗記ものである。もちろん、九九を理論的に覚えることも重要だが、実際に必要なのは計算力である。どうして5×6=30なのかを理論的に理解することにはあまり意味がない。その考え方を知ることは必要だが、重要なのは解答を出せることである。

 つまり、どうしてそのやり方だとルービックキューブの全面が揃えられるかを理解する必要はない。それは数学者が考えることであり、一般人はやり方さえ分かればいいのだ。出来るようになってから、どうしてそのやり方でできるのかを少し掘り下げる程度でいいのだ。

 車の運転なんかも同じ。車の運転を習う際に、1つ1つの手順を理論づけて覚えていく必要はない。アクセルはスピードを出すために使い、ハンドルは車の方向を変えるために使い、ブレーキはスピードを緩めるために使う。基本事項を学習したら、あとは実際に運転して覚える。

 日本語を教えていると、よく生徒に「漢字を覚える秘訣がありますか。日本人はどうして2000もの漢字を覚えられるのですか。」と聞かれる。いつも漢字を覚えるこれだと言う方法はないし、日本人も小学校1年生から高校3年生までの12年間で2000の漢字を覚えているんだと答えている。

 でも、これからは目の前でルービックキューブを全面揃えて見せるというのも1つの手かなと思う。

 「不可能だと思ったら、絶対出来ない。でも、出来ると自分を信じたら誰でも出来る。漢字の暗記はルービックキューブの暗記と全く同じで、繰り返し練習すれば誰でも出来る。」

 ちょっとキザ過ぎるかな?

 66歳になる父親も100円ショップでルービックキューブを購入し、マニュアルを見ながらだけど出来たと報告してきた。そう、マニュアルを見ながら出来ても全面揃うと感動するのだ。

 皆さんもルービックキューブに挑戦してはいかがでしょう?100円ショップで売ってますよ。

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