2月から5月に日本へ行く予定の生徒に日本語を教えている。彼女はこちらの連邦大学博士課程の3年生で、菌類学を専攻している。
彼女は日本政府の奨学金制度に合格し、茨城県つくば市のとある研究機関で5月から半年ほど研修する予定である。
こういう博士課程のある一定期間を海外で研究するのは、博士課程の学生ではかなり一般的なようだ。
要は海外留学により経歴に箔が付く訳で、彼らが大学教員試験を受験する際に、多少プラスになる。
まあ、その是非はともかく、3ヶ月で日本語がある程度話せるようになりたいという彼女の要望の下、僕らの授業は2月に始まった。
ここで僕の日本語教育の経験の中で初めての試みを行った。
ひらがな・カタカナの識字教育をせずに、ローマ字で書かれたみんなの日本語教育の教科書だけを利用して、日本語を教えたのである。
彼女は日本から帰国後に、日本語を学ぶつもりはないと言うので、ひらがな・カタカナを教えるのは時間の無駄かなと思ったのだ。
僕の経験上、日本語学習者がひらがなを覚えるのは、生徒によって多少差はあるものの、およそ2週間かかる。さらに、スラスラ読めたり書けたりするまで、もう1、2週間かかる。
つまり、全部で3週間程度はかかってしまう。学習期間が短い場合、識字教育だけで3週間を要するのは大きな時間のロスであり、下手するとほとんど文法を勉強せずに訪日してしまう可能性も大きい。
それでは元も子もない。
だから、今回は賢明な選択だったのかなとは思うが、それでも確信は持てない。
教え始めて思ったが、ローマ字表記は日本独自のものであるため、ブラジル人がこの教科書を使うと、どうしても最初は違った発音で読んでしまう。
彼女が間違える度に僕が発音を修正するが、それでもやはりその習得までになかなか時間がかかる。
さらに、言葉の区切り方も、どうしても不自然な区切り方になり、日本語らしくないイントネーションになってしまう。
やはり、ローマ字だけの日本語教育は弊害が大きい。本当に正しい日本語を教えたいと思えば、少なくともひらがなは教え込む必要があるなと感じた。
まあ、今更な訳だが。。。。
ただ、識字教育をしなかったお蔭で、みんなの日本語は14課まで進んだ。日本語教育において最も大事なて形が出てくる課である。
て形が分かって、日本に行ってくれれば、後は向こうで何とかなりそうな気がする。
彼女は博士課程の学生さんだけあって優秀である。英語も堪能なようなので、日本に留学しても何の問題もないと思うが、せっかく覚えた日本語を将来使わなくなってしまうというのは惜しいなあと思う。
まあ、僕も嘗て覚えた中国語を全く使っていないのだから、人の事を言えた口ではないが。。。。。
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夏休みを利用して、ブラジル一周をしたのはとっても楽しくエキサイティングでした。
またブラジルに行きたいな~と思ってます。
ブログはやってませんがFacebookならUPしてます。
コメントありがとうございます。
バウルは何回か行った事があります。
恐らくだるま塾で来られた方なのかと推測します。
日本に帰ると、ブラジルに行きたくなりますよね。
だから、僕は日本に帰れないんです。