ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

音楽療法 3 (自閉症の特性45)

2016年05月30日 | 自閉症の特性
由紀子が学校にも行かず、家に籠るようになって
いろんなことができなくなりました。

そんな中で、音楽療法も諦めかけた母ですが
やっぱり諦めきれなくて・・・


そんな時、H崎先生が
ゆきちゃんが来れないのならば
大村でレッスンをしましょう!

と、言ってくださって
お友達の教室を借りて
レッスンを再開してもらえることになりました。


8月に新しい教室の下見に
由紀子を連れて行きました。

少しずつ立ち直ってきているとはいえ
まだ大きなパニックが続いていたので
新しい教室にどんな反応をするのか心配!!
(⌒-⌒;)ドキドキ・・・

でも、最初こそ拒否をしていましたが
最後には歌を唄う事ができました。

"(σ・ω・`*)嬉シスギル....

なんとか由紀子が新しい教室を
受け入れてくれそうなので
9月からレッスンを再開することになりました。


そして、再開の日!

以前と同じように
母はレッスンには参加しませんでした。

でも、母がレッスンの様子を気にしているだろうと
H崎先生がその日の夜に
メールで様子を知らせてくれました。

・・・H崎先生からのメール・・・

はじめは環境を確かめている様子でした。 
ピアノを見たり。。。 
蚊にかまれて、(4カ所も)
かいてくれといって私の手を持ってカキカキ。。。 
赤くなっていました(笑) 
 
私やTさんがピアノを弾くように促しますが、
『弾かない!』と言ったので、そ~っと様子を観察していました。 

私がグランドピアノの下に潜り込み、
カリンバで音を出してみました。
 
音に気づいてくれましたが自分で演奏はしません。
 
しばらくそのまま様子観察

すると突然『トイレ』と立ち上がりました。 
トイレに自分で行って場所を確認。 
用を済ませると手を洗って部屋へ戻り、
自分でピアノのふたを開け一つずつ音を確かめるように弾き始めました。
 
『チョップスティック』の曲も自分で弾き始めました。 
Tさんと二人で、目を合わせて笑顔をかわしました。 
 
読売新聞のフレーズを思い出したようで(笑)
繰り返しオクターブ(下から上へ)繰り返し弾いていました。
 
音のたかさでピンと来た(原曲と一致した)
高さのところを見つけたようです。 

一瞬『うん???』と手がとまりました。 
(私はこの原曲を聴いたことがないので、
是非是非聞いてみたいと思いました。) 

 
それからいくつかのフレーズを弾いていました。 
いつものような即興もできました。 

(今回は用心深く接し、
由紀ちゃんが一人で弾くことに徹そうと思ったのですが、 
由紀ちゃんが私の手を持って弾くように催促する場面もありました。
私自身の方が驚きました。) 
 
しばらくピアノを弾くと自分で蓋を閉めピアノは終了。
 
『すごいね由紀ちゃん。ピアノ弾けたね』
とTさんからもほめられて嬉しそうでした。 
 
『こっちにおいで』
と持って行った楽器の方へ誘うと
自然に楽器遊びを始めました。
 
Tさんとも一緒に手作りのビリンバウで音を変化させて
『びよよ~~ん』♪ 
ディジュリドゥも『ぶ~~~ぶ~~~』と
お互いに響かして楽しみました。 

そんな中お母さんが戻ってこられました。 



Tさんとは、教室を貸してくださった
ピアノ教室の先生です。

Tさんが時間がある時は
一緒にレッスンに入ってくださるので
由紀子一人に先生が二人という
何とも贅沢な音楽療法となりました。(笑)


この日の日記の終わりに
母はこう書いています。


大村に引越しをして来て、
今まで積み重ねてきたものが一度に崩れてしまいました。 
それはとてもつらくて悲しいことでした。
でも、こうしてまた崩れてしまった積み木も
もう一度積み直すことができることを実感することができました。 
本当にうれしいです。 
 
今度は簡単に崩れないように
丁寧に一つずつきれいに積み重ねて行こうと思っています。



この日は9月2日!
学校も二学期になっていました。

学校側が由紀子の為にケース会議を開いてくれて
個人プログラムを作って
特別な支援が始まりました。

おかげで、由紀子も新しい環境を
少しずつ受け入れられるようになって
学校でも笑顔が増えました。



でも、一度始まった強度行動障害は
そんなに簡単には治りません!


PMSの時期など大荒れで
音を受け入れられなくなるので
H崎先生は大変だったと思います。


調子が悪くてレッスンに参加できない時は
グランドピアノの真下に由紀子を寝かせて
静かな曲を弾いてくださっていたと聞きました。

由紀子は静かに目をつぶって
その音楽を全身で受けていたのだそうです。

どんなに荒れた日でも
由紀子は音楽療法に行くのを嫌がりませんでした。

それは、H崎先生が
どんな状態の時でも
丸ごと受け止めてくれるからだと思います。


それは、あの現川で
闘いながら作り上げた
二人の信頼関係のおかげだと思います。(笑)



さっき、母の日記からの抜粋の言葉の中に

今度は簡単に崩れないように
丁寧に一つずつきれいに積み重ねて行こうと思っています。
 

と、ありましたが・・・

この後も、何度も積み木は崩れてしまうんですよねぇ~~! 
(ー_ー;)ゞぽりぽり


高等部で再び大荒れの生活になって
一年で退学したり
自傷のせいで網膜剥離を起こしたり
そのせいで大好きだった施設に行けなくなったり


その度に由紀子はどん底に落ちてしまうのですが・・・

立ち直る最初の一歩は
いつも音楽療法の再開だったような気がします。



正直、私はレッスンに参加しないので
音楽療法の様子はよく分かりません。

母がたまにレッスンを見学しようとすると
「お母さんはダメなの!」
と、由紀子に拒否されてしまいます。
(ー_ー;)ゞぽりぽり



だから、時々
先生にレッスン中のエピソードを
教えてもらうくらいです。

でも、それでいいのかもしれないと
思っているんです。

H崎先生との時間は
由紀子の大事な時間ですから!!(笑)

母は知らなくてもいいのだと思います。


ちょっと淋しいけどね…!!
( ̄▽ ̄;)アハハ…


次回は先日、久しぶりに
H崎先生とランチをしながら聞いた
最近の由紀子との音楽療法について書こうと思います。

あぁ・・・
由紀子の日記も書かなくっちゃね!!(笑)

=END=
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6 コメント

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初めまして (ゆいみ)
2016-05-31 19:33:16
初めまして(o^^o)いつも拝見させていただいてます(^O^)tomiさんのブログで強度行動障害というものをしりました。
息子が昨年、25歳で急に自傷、他害、破壊で通所施設から、退所勧告され、入所施設も強行にはなく全国探しました…>__
返信する
tomiさん (チャピ)
2016-05-31 22:06:50
こんにちは^^*


強度行動障害は本当に
切なく辛いものですね。
娘も本当にたいへんでした。
娘はてんかんの発作もありでしたから
しんどかったです。

でもやっぱりピアノの先生でしたね
なんであんなに大きなこころでいられるのでしょう
と思うほどです。
助けていただきました。

音楽はいいのですね。
音楽に携わる人はいいひとですね。

ブログを読んでいて胸がいっぱいになりました。
あの頃私もたいへんでした・・・。
今もたいへんではありますが(笑)
返信する
ゆいみさんへ (tomi)
2016-06-01 06:48:55
ゆいみさん、はじめまして!
いつも日記を読んでくださって
ありがとうございます。

施設の退所勧告ですが・・・
由紀子も網膜剥離で眼が見えなくなった時に受けました。

親が一番つらい思いをしている時に
助けて欲しい!と思っている場所から
拒否されると本当に辛いんですよね?!
お気持ちよく分かります。

息子さんの受け入れ先は見つかりましたか?
良い施設が見つかって欲しいと願っています。
よかったらその後を教えてください。

これからもよろしくお願いします。
返信する
チャピさんへ (tomi)
2016-06-01 06:57:52
チャピさんのお嬢さんもピアノをされていましたね?!
そちらの先生もいい先生のようで
よかったです!!

今回、音楽療法の日記をすべて読み返して
この先生と出会えて本当によかったと
心から思っています。

強度行動障害・・・本当に大変な障害ですよねぇ・・・
お互い、ファイト!です!!(笑)
返信する
返信ありがとうございます (ゆいみ)
2016-06-01 13:27:16
うちは、結局、受け入れ先がなく退所先に役所からお願いしてもらい、活動なしで、毎日、無音の部屋に一人で置いてもらっています…>__
返信する
ゆいみさんへ (tomi)
2016-06-04 06:55:41
レスが遅くなってすみません。

無音の部屋に一人・・・

それだけを読むと私たちは
可哀そうだと思ってしまいますが
自閉症の人たちは、私たちの感覚とは違うところがあるので
一人で部屋にいることが心地よいと感じているのかもしれませんけれど・・・

そうじゃないかもしれないし・・・

ただ、受け入れを拒否した施設が
息子さんの事を理解して
支援の方法を真剣に考えてくれるようになるといいですね?!

強度行動障害の理解が広まることを
心から願います。

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