ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

音楽療法 (自閉症の特性43)

2016年05月29日 | 自閉症の特性
音楽へのこだわり その4の終わりで
音楽療法のH崎先生に話を聞いて
その5を書くと約束をしました。

それで昨日、H崎先生に時間を作っていただいて
一緒にランチをしてきました。

久しぶりにゆっくり先生と話ができて
本当に楽しい時間でした。

話をする間に
いろんな思い出が蘇ってきたので
これから数回に分けて
「音楽療法」について書いてみようと思います。


由紀子の音楽療法が始まったのは
2003年の8月でした。

今日もH崎先生と
13年も経ったんですねぇ~!?
と、しみじみしてしまいました。(笑)

私は、その頃の日記に

「音楽は一人で楽しむものだけではなく、
人と楽しむ事もできると由紀子に知って欲しい。 
会話はうまくできなくても、
音楽で人と心を通わせる事ができたら・・・。 
そんな思いでレッスンをお願いした母です。 」


と、書いています。

その頃、音楽へのこだわりが出てきて


音楽の教科書に載っている曲が
自分の知っているキーと違うと言って
パニックになったり!

人と一緒に歌ったりするのを嫌って
自分一人で歌いたいと言ってパニックになったり!

音楽の授業などに支障が出ていました。

それで、知人にH崎先生を
紹介してもらってレッスンをお願いすることになりました。


音楽療法を始めたばかりの頃は
教室に連れて行っても
先生とのレッスンを拒否して
ピアノにすら触ろうとしなくて・・・


でも、先生が部屋を出た途端に
ピアノを引きはじめたりして・・・(笑)

その頃の由紀子です。


母が側にいると甘えて
先生との関係ができないと思ったので
レッスンは母抜きでお願いをすることにしました。

その当時、教室が現川(うつつがわ)という
山に囲まれた場所にあって
レッスンの間、母はカメラを片手に
自然の中を散策していました。


そこへ、響いてくるのが
由紀子の泣き声と叫び声!!

きーーーーーっヾ(*`Д´*)ノ"彡☆


(ノ_-;)ハア・・・



・・・日記から抜粋です。・・・・

今日から私は別の場所でレッスンが終わるのを待つことにしました。
先生には「闘ってください!」
そうお願いをしました。(笑) 

「闘う!」・・・たぶんその意味はすぐに
わかって頂けたと思います。 


レッスンを始めてすぐに
由紀子の叫び声が聞こえてきました。 

「やだ~!ピアノは嫌いなの!!」
「○○の歌はきらいなの~!」 

先生も必死に由紀子とコミュニケーションを取ろうと
がんばってくださっていますが、
最近の由紀子はそう簡単には心を開きません。
 
「お母さんはどこ?お母さんを探しに行く~!」
 
ピアノを開く事さえ拒否してピアノをがんがん叩いています。 

久々のパニック状態! 
何度か部屋に入ろうかと思いましたが
今日は先生に任せよう・・・
そう思いとどまって外で腕を組んでじっとがまんをしました。


・・・ここまで・・・・

こんなに大暴れをしたのに
帰りの列車の中では笑顔で
「今日はたのしかったねぇ~?」
と、いう由紀子さんでした。(笑)

その笑顔を見て
きっとうまくいく!
そう確信をしていた母でした。


そんな事を何度か繰り返して
H崎先生は由紀子との関係を作ってくださいました。

本当にあれから13年です。



由紀子の音楽療法は
音楽を楽しめるようになることを
目的としているので
毎回レッスン内容が変わります。

一緒にピアノを弾いたりもしますが
由紀子が一本指で引くメロディーに
先生が伴奏を付けてくださったり

由紀子が耳コピーした曲を
ピアノで弾いたりします。


学校でドラムを連打していると話すと
ジャンベという太鼓を持ってきてくださって
一緒に叩いて、リズム遊びです。


由紀子が骨振動を好むことを
見つけてくれたのも先生でした。

これもディジュリドゥという楽器なんですよ!(笑)

耳骨に直接、音の振動が伝わってくるこの楽器が
由紀子のお気に入りになりました。


先生のおかげで由紀子は
音楽の楽しみ方をたくさん知ったと思います。

小学校の5年生の時には
H崎先生が学校に来てくださって
担任の先生と交流学級の先生と一緒に
音楽のセッションをしてくれたこともありました。

二人の先生とも音楽が好きで
教室にドラムセットやギターが
置いてありました。

由紀子にとって、一番音楽に恵まれた年でした。



小学5年生から始めた音楽療法でしたが
養護学校の中学部へ入学する為
私たちは長崎から大村へと引っ越しをしました。

引越しをしても音楽療法は
続けるつもりでいました。

しばらくは大村から現川の教室へ通っていたのですが・・・

中学部一年の時に
環境の変化と思春期の嵐で
由紀子は大きく変わっていきました。

強度行動障害の急性期でした。

車での移動もできなくなって
現川まで連れて行けないので
音楽療法は一時期休むことになりました。


次回へ続きます。


=END=
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