ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

25メートル

2002年11月23日 | ゆきちゃんの日記
今日は朝からスイミングにいきました。

体調が悪かったり、表彰式に出かけたりで、
ずっとお休みをして

なんと1ヶ月ぶりのプールになってしまいました。

反抗期の色が濃くなった由紀子は
先生にもわがままを言う事が多くなってきて、
先生も扱いにくそうです。

それでも1時間みっちり練習をして
そろそろ終わりかな・・・と思った時、
急に由紀子が泳ぎ始めました。


背中の補助具もはずして何もつけないままです!

手は平泳ぎ、足はバタ足で息つぎをしながら・・・。

「ここまできてごらん!」と、
私が声をかけながら後ろに下がっていくと
そのままどんどん泳いできます。


先生も「そろそろ終わろうか・・・」と
声をかけようとして

由紀子が泳いでいるのに気が付いて追いかけてきました。

ゆっくりだけどちゃんと息つぎをしながら、
時にはよそ見をしながら泳いで、

とうとう25メートル泳ぎきってしまいました。

補助具無しで初めての25メートル完泳!

泳いでいる時に由紀子が
舌を出して泳いでいるのを見て先生が、

「あれはリラックスしている証拠ですよ!」

といいました。

野球の選手や陸上の選手も
リラックスする時に舌を出すそうです。

ビート板や、他の補助具を使う時は
腕に力が入ったりしてなかなか前に進まない由紀子だけど、


この子はやはり自然体の方が
リラックスするのだなぁ・・・と、思いました。

力を抜いてゆっくり泳ぐ姿はまるで魚のようです。

由紀子が描いた魚の絵をちょっと連想してしまいました。(笑)



この後、すぐに交流学級のレクレーションで学校へ…。

忙しい1日でした。

=END=
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まずい

2002年11月22日 | ゆきちゃんの日記
この日はまーまーの短大推薦入試の面接でした。

それで、慰労会をかねて外食をする事になりました。

いつも行くレストランへ出発!


由紀子は車の中で
「ハンバーグを食べるの!」と、
何度も言っていました。

自閉症の子どもは楽しい事も、
不安な事もそれが始まるまで繰り返し口にします。

回りの人はこれに慣れるまでがけっこう辛い!


そんなこんなでお店についてみると・・・。

「お休み!」w(☆o◎)wが-ん


ゆきちゃん、半分パニックです!
急いで、もう一軒のレストランに…。

ところが、品切れで閉店!

(^-^;)ハハハ

ゆきちゃんもう我慢も限界!


もうどこでもいいから
ハンバーグのできるお店に入ろうと言う事になって、

近くの喫茶店かレストランかわからないお店に入りました。


ありましたよ~!

ハンバーグ!

C=(^◇^ ; ホッ


ところが、出てきたハンバーグは
なんともあっさりした色で、
和風でもなくデミグラスソースでもなく・・・。

いや~な予感がしました。

案の定、一口食べた由紀子が
顔をしかめて大きな声で言いました。

「まずい!」(きっぱり!)

(>。≪)


慌てて言葉をさえぎったけど、
カウンターの中の人にははっきりと聞こえたよねぇ~!

確かにそのハンバーグまずかった、
でも、そんなにはっきり言わなくてもいいじゃないか・・・。

それから、家族全員でフォローです。

「そんな事ないよねぇ・・このハンバーグおいしい!
私は好きだなぁ・・・」

(まーまーも大人になりました。)


「このスープはおいしいね!」

(お父さんはスープでがんばるのね!)


「ゆきちゃんはデミグラスしか食べた事がないからねぇ・・・。
初めての味だからわからないのよ」

(他に言葉が見つからなかった。)


結局、由紀子は付け合せのフライドポテトと、
私のエビフライでご飯を食べました。

他の家族は必死にハンバーグを食べました。

そして、店を出て車に乗った途端に
家族全員で由紀子に


「ゆきちゃんごめん!
あんたは正しかった。
あのハンバーグはまずい!」

(大爆笑)


由紀子に嘘やおせいじを要求するのは無理な事です。

でも、あの場合ああするしかなかったんですよね!(笑)

この日はとんだ慰労会になったけど、

今日無事にまーまーの合格通知が我が家に届きました。


今度は祝勝会として、
本当においしいものを食べに行こうね!


=END=
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つらいの

2002年11月21日 | ゆきちゃんの日記
持久走大会に向けて
走ろう運動をがんばっている由紀子ですが、
本音はやはり走るのは嫌い!

最近何かにつけ「学校へ行かない!」と口にします。

最初は何が原因かわからなかったけれど、
フッと思いついて聞いてみました。

 「走るのがいやなの?」

「いや~~~~~!」
(T▽T;)ビェェェェ


図星のようです。(笑)

「4周走るのがいやなの?」・・・「いや!」(ーー;)

「2周ならいいの?」・・・・「うん!」(*^-^*)

「でも、4年生はみんないっぱい走るんだよ!
ゆきちゃんも4年生でしょう?
お姉さんはがんばるんだよ!
ゆっくり走れば大丈夫だから・・・。」

やっぱりダメか・・・と言うような顔で
納得したような・・・しないような由紀子でした。(笑)


そこで、担任のO田先生と話し合って
「おだて作戦」を始める事にしました。

朝に、夕に、4周走った事を誉め続けています。

d_(>o< ) ヨクデキマシタァー!


誉められる事が大好きな由紀子は
それを支えにがんばっています。

昨夜も寝言で叫んでいました。

「学校いかな~い!」

でも、朝になったら笑顔で学校へ出かけていくし、
ちゃんと走っているようです。

きっと今が精神的に一番つらい時なのです。
 
それでも、私は
由紀子にがんばりぬいてほしいと思っています。


知的には自閉症と言う障害をもっているけれど、
身体的には問題はないのだから後は、

精神力の問題でしょう・・・。

ねぇ・ゆきちゃん!

O田先生は、毎朝あなたと一緒に
走ってくれているでしょう?!

交流学級のとしき先生もお友達も、
他の先生たちもみんなあなたに
「がんばれ!」って、
声をかけてくれるじゃないの!

みんなが見守ってくれているのだから・・・

あなたはがんばらなくてはいけない!


=END=
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聴こえる

2002年11月20日 | ゆきちゃんの日記
今日は夏休みに取った脳波の検査の結果を持って
地元の公立病院へ行きました。

夏休みに撮ったものをなんで今ごろ・・・

と思うでしょうが、話せば長い・・・ので省略!(笑)

授業を抜け出して病院へ行ったのだけど、
小児科に近づいた途端に耳押さえが始まりました。

^( ̄. ̄; )( ; ̄. ̄)^ キョロキョロ 

何?何が聴こえるの?

私にはいつもの病院のざわめきしか聞こえてきません。

耳を押さえていると私の声も聞こえないみたいです。

(それほど強く押さえているのですよね・・・)

この状態では話すときは
頭に口を近づけて話さなければなりません。

母   「何が、聴こえるの?」

由紀子 「アンパンマン!が聴こえる」



急いで小児科の待合室を覗くと・・・

なんと!確かにビデオで流れていました。

アンパンマン!(O_o)WAO!!! 


でも、由紀子のいる場所に戻ると私には何も聴こえません。

いつもそう!

私が気が付かないうちから由紀子の耳押さえが始まる。

すごい感覚です。


仕方なく由紀子だけを小児科から離れた
会計の待合室で待たせて
私だけ小児科の呼び出しが聞こえる場所で待つことにしました。



そこでも耳押さえをしている由紀子。

私には何も聴こえないのに…。


1時間近く待ってやっと由紀子の順番が来ました。

由紀子は耳を押さえたまま診察室へ入りました。

この先生は月に一度、
本土の大学から派遣されてくる脳神経の専門の先生です。

診察に来るたびに違う先生がいます。

だから由紀子のことはほとんど知らない。


ずっと耳を押さえている由紀子に看護婦さんが
「どうしたの?」と声をかけてくれました。

でも、由紀子は耳を押さえていて聴こえないので、
代わりに私が『アンパンマンがここまで聴こえるらしくて!』と答えました。


私の説明でいつも接してくれている看護婦さんは解ってくれたのだけど・・・

脳波の結果を読んでいた先生が一言


「なに?幻聴でも聴こえるんですか?」


その言い方にむっとしました。

聞きかじりで人にものを言わないで!(心の叫び!!)

「違います。・・・<説明>・・・」


それでも今一解らない感じの先生・・・

自閉の専門家ではないし、
それほど付き合う先生ではないので、
それ以上は説明してやらなかった。


結局、聴診器を当てる事もなく、

診察は終了。

これなら由紀子はつれてこなくてもよかったのに!

(――;)

ずっと押さえていたので耳は真っ赤になって…。

かわいそうな事をしてしまいました。


耳押さえは自閉症の人には珍しい事ではないのに、
医者でも専門でない人はわからない事が多い!


熱心に聞いてくれる先生もいるのだけど、

今日の先生は・・・。

だから、自閉症の人は
生きていきにくいのだと思わずにはいられませんでした。


自閉症は・・・

小さい頃は小児科の中の発達小児科が診てくれます。

ここで、最初の自閉症の診断をもらう事が多いのです。

その後は、精神科にかかります。

私は、先のことを考えて
小学校入学の時から精神科の先生に
主治医になってもらっています。

思春期には自閉症の症状が強くなる事が多いと言われているのだけれど、
由紀子にもその兆候がいろいろ出始めています。

でも、これは一つずつ受け止めていくしかないと思っています。

=END=
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自画像

2002年11月19日 | ゆきちゃんの日記
今日は学校の絵画作品展でした。

4年生は木版画を出展する事になっているのだけれど、
由紀子が彫刻刀を使うのは少し危険だと言う事で
雅子先生と紙版画に挑戦することになりました。

まず自分の顔を紙に描かせて版画に仕上げたものです。

なんと、由紀子にそっくり!

ぽっちゃりとした顔の輪郭も夢見る表情も・・・。

さっそく作品の前で記念写真
    (r[◎]<)はいポーズ!






さて、話題は変わって…

珍しくねーねーから電話がかかってきました。

お目当てはいつものように由紀子。

何か、疲れるようなことがあると
「ゆきちゃんは?」と言って電話がかかってくるのです。

どうも彼女にとって由紀子は癒しの道具らしい。(笑)


ところが今日は由紀子の虫の居所が悪かったのか
「ねーねーきらいなの!」と言って電話に出ませんでした。

電話の向こうのねーねーは大ショック!

w(☆o◎)wが-ん

ハハハ・・・
でも、本当はねーねーはこれくらいの由紀子の反応にはびくともしません!

「由紀子に“ばぁ~か!”って言っておいて!(笑)」

と言って電話を切りました。

それをそのまま伝えて(笑)

由紀子とお風呂に入りました。

すると、身体を洗いながら由紀子が一言。

「ねーねーに電話する。」

(((大爆笑)))


完全にねーねーの勝利!

大好きなねーねーに嫌われたら大変と、
風呂上りにさっそく電話して、
ご機嫌取りをしていたゆきちゃんでした。

=END=
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