真の動物福祉牧場を目指して

ターシャの過去 参

 前回はターシャの過去生をかなり駆け足で物語りましたが、天安門広場で彼女が如何に若者たちの革命気運を高めたかを、もう少し語る必要があるでしょう。

 それは当時ソ連で民主革命が達成され、ウクライナやバルト三国が独立を果たしており、その勝利の要因の1つとして挙げられるソルジェニーツィンの「収容所群島」が中国の学生たちにも大きな影響を与えていたからです。 これはソ連の全体主義が犯した罪をとても鋭く告発した書で、これと同等の罪を中国共産党も犯しており、それはチベットで特に酷かったと言えます。

 ターシャにはそれを学生たちに訴える義務があり、まだ20歳だった彼女にはソルジェニーツィンの様に大局的に告発するコトは出来ませんでしたが、後にツェリン・オーセルが「殺劫」や「チベットの秘密」でそれを果たしているので、70歳になったターシャは当時を振り返って訴えを補足して、前世の物語を締めくくります。

 次にターシャは前々世の夢についても語り、その因縁から自分はブレサリアン(不食者)になったと物語ります。

 

ーー  前世はたった20年の人生だったせいか、珍しいコトに私は前々世の記憶も甦らせられました。 しかしそれは最期の日々の記憶だけで、1969年の夏に私はヒマラヤ山中で人民解放軍の精鋭部隊を相手に一人で戦って果てました。 (前々作「Shu-Shan」の「秀」章でこの戦いは描いたので、ここでは省略して語ります)

 これは当時14歳だった秀祥様を逃がすタメの戦いで、私は100人もの敵をいく晩も釘付けにするコトに成功しました。 それは私が闇夜の奇襲を得意としたからで、どこから放たれたか分からない毒矢に敵は怯えて、明かりを灯せずに身を隠すのが精一杯にさせられました。

 敵は覚醒剤を使ってほぼ寝ないで行軍しましたが、食事はしなくてはならず、その分こちらは常に先手をとって待ち伏せするコトが出来ました。 私は永い修行のすえブレサリアンになっており、これは太陽の光から糖を作る光合成細菌と共生したコトに依ると感じられて、不食は消化酵素を節約できるので疲れにくくなりほぼ寝ないで活動できました。

 この戦いには私の相棒のチベット犬と鷹の力も借りれ、敵の軍隊犬をこちら側に就かせるコトにも成功しました。 しかしそんな戦いも矢が尽きて不利になり、動物達も失って最後には自分の身を呈さざるを得なくなりました。 

 それでも私は仏教徒として不殺生の戦いを貫け、秀祥様も無事に5000mの峠を越えて逃がせられたので、とても満足して逝けました。 最期は敵が登って来る崖の上に座って、大声で真言を唱えて威嚇し、夜通しそうしてましたが吹雪になって凍死しました。 敵の部隊はそんな私の最期に敬意を払ってくれ、その後チベット女性に対して敬意を持つようになりました。  ーー

 

 

 

 

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