私はチベットとモンゴルで遊牧民と会ったコトがあります。
でもモンゴルに行ったのは冬だったので放牧はしておらず、街の周りにゲルがたくさん集まっていて、遊牧民は主に露店商などをしていました。
チベットは夏場に4回訪れ、遊牧民のテントに泊めてもらったコトも何度かあります。
しかしその暮らしは貧しく、男は都会に出稼ぎに行かなければならない様でした。
このコラムでも述べられている様に、遊牧民などの原始的な第一次産業は存続の危機にひんしており、私も牧畜業を行う者なので何とかしたいと思っています。
その為に、牧畜では堆肥と乳製品の二次産業化が望まれ、マニアックな所では特A堆肥(生で使える)や免疫ミルク(抗体カクテル)、更には醍醐(ブッタも作ったとされる)などの可能性を前に追求しました。
また、観光牧場や有機農園(貸出し)などの第三次産業も考えており、私の家は北海道で民宿もやっていたので(ライダーハウスにする予定)、農家ステイもやりたいと思っています。
更に、情報発信にも力を入れて第四次産業にも食い込めれば、1+2+3+4で10次産業となり、それが遊牧民として現代の日本で生きて行く道かと思っています。
ここで話を物語に飛ばしまして、遊牧民の娘ターシャについて改めて描きたいと思います。
彼女はヒマラヤを超えてインドへ逃れるトゥルク一行を衛る為に、人民解放軍と戦って果てますが、その戦いではチベット犬や禿げ鷲も活躍させると物語りました。
このチベット犬については、最近NHK
「wildlife」でユキヒョウと互角に渡り合っているのを見て、その超大型犬としての「力」をもっと強調したく思いました。
このターシャに付き従うチベット犬は元々野犬で、夜目の全く効かない羊の群れを襲い、その中で眠っていたターシャによって捕らえられ調教されます。
この超大型犬は人民解放軍の軍用犬を配下にし、最期まで恐れを知らずに戦い抜きます。
こうした忠誠心を描く上では、ターシャの特別な「力」も描こうかと思い、ブレサリアンと成った彼女には動物とテレパシーを通じさせる能力が具わったとします。
ターシャと動物達が人民解放軍に攻撃を仕掛けるのは、月が山に沈んでまだ日が昇る前の最も暗い時間帯で、投光器を投石で壊して行軍できなくさせます。
夜目の効かない兵士達は反撃できず、大勢で固まっていては狙い撃ちされるので散開して身を隠します。
ターシャは暗闇でも音の反射で敵の動きを察知できる「エコーロケーション」能力に優れ(音だけで周囲の状況を「見る」エコロケーションを練習する7つのコツ)、視力も常人を遥かに超え夜目も効くとします(鹿児島市医報)。
彼女は弓の名手であり、その矢には痺れ毒が塗られますが、命を奪うトリカブトまでは用いずターゲットも足に絞ります。
こうした「不殺傷戒」は、孫文徳の死を見届けて帰路に着く兵士達に、途中の戦闘で動けなくなった戦友達がみな生きていたコトで伝わります。
痺れ毒で動けずに山中で死を覚悟した兵士達も、思わず命拾いをして生まれ変わるとします。
話は変わりますが、英語ではグッド-シェパードと言えばキリストを意味します。
ヒトは羊に例えられ、盲目的にさ迷う弱い動物を導く存在に象徴されます。
キリストはもう一つ職業名で呼ばれ、それはヒトの世を形作るカーペンター(大工)で、次回はこれについて語ります。