ーー 利他妹(リタメイ)によるチベット解放戦争の話は、ウイグル人女性達にとても強い感銘を与えました。
彼女達はリタに戦い方を教えて欲しいと頼み込み、リタはその熱意に押されて引き分けます。
それまでイスラームの戒律に縛られ戦うコトなど考えもしなかった女性達を動かしたのは、チベットの反乱で女達が大きな役割を果たしているというリタの話でした。
それは実際の戦力としてよりも、反乱軍の士気を高める効果が大きく、男達は女達が観ている前では弱腰にならず勇敢に戦いました。
こうした話は過去にも沢山あり、フランス革命やロシア革命でも女達が革命軍の士気を大いに高めました。
ウイグルでの革命運動が今一つ発展しないのは、女達が消極的に引っ込んでいたからで、リタは自分の役割がウイグル革命軍の女性リーダーを育成するコトだと知ります。
戦いの訓練はまず、男を恐れない心身を培うコトを目標にします。
その為にリタはウイグル女性達に合気道を教え、それには草原を道場として100人以上の女達が参加しました。
私も護身術を身に付けたいと思っていたのでリタに弟子入りし、1日の修行で「五つの型」は一応覚えました。
しかし実戦でこれらの「型」をキメるには、まずは自分で自分の腕をキメる修行を積む必要があります。
私は今まで腕の捻り方を研究したコトはなく、そのキマった時の痛みも初めて知りましたが、ウイグルの女達はみんなこの「痛み」を勇敢に乗り越えて、逞しい女士へと成長して行きました。 ーー