「純粋な心」が幸せへのキップであるコトは、判ってはいても中々そう成れないモノです。
このコラムで書かれている様に、インドでは「心の純粋さ」が特別大事にされ、激しさや怠慢さを避ける「中道」が目指されております。
その為、お酒は滅多に売られておらず(違法の州もある)、食べ物にも「純質」を求める傾向があります。
加工食品はインドでは流行らず、ガンジーが果物とミルクだけで生きた様に、シンプルな食生活が理想とされます。
人は食べなければ生きて行けないので、食べ物と体は一体と考えられ、この食物が日本では純粋ではなくなって来た為に、様々な心身の問題を生んでいるとも考えられます。
あまり抽象的な話をしても始まらないので、ここでは「ミルク」に話を絞りますと、日本の牛乳はインド人の目から見ると「サットヴァ」な食品ではありません。
それは欧米の基準から見ても「缶詰ミルク」で、超高温殺菌されている為にたんぱく質(酵素)が壊れて機能性(胃で固まる等)が失われています。
その為、子牛に市販の牛乳をガブ飲みさせると下痢になり、これは人にも当てはまります。
また、日本の乳牛は主に輸入コーンを加工した飼料で生きており、草だけで生きる乳牛は非常に限られているのが現実です。
牛は元々草だけで生きて来たので、穀物食は病気(肥満)を引き起こして寿命を縮めます。
それは自然界では15年程生きる牛が、酪農の現場では5年程しか生きられないコトに現れ、乳牛の短命さは経営を悪化させる大きな要因の一つです。
しかし現在、最も酪農経営を悪化させている要因は輸入飼料の高騰です。
これは北海道だけで年間200件もの酪農家が廃業する程で、この「酪農危機」はテレビでもよく取り上げられています。
この解決策は、乳量が減っても長寿命とコスト削減に繋がる放牧しか無いと思い、草だけで絞る「斉藤牧場」(旭川)のサットヴァ-ミルクの様な牛乳が、日本でも欧米の様に広い支持を集めるコトかと思います。