それは自分が20代前半のロシア人で、今は中国の孤児院でボランティアをしながら、中国語を勉強していると紹介します。
その頃(近未来)まだロシアは戦争中で、自分は亡命者であるコトも話し、今に至った経緯を振り返ります。
彼女はブログで生計を立てていましたが、戦争に反対した為に削除され、指名手配までされて逃げ回ります。
その逃避行では多くの仲間に助けられ、実名は挙げられないけれども、彼等の勇気と愛を讃えます。
彼女の周りには捕まってしまった仲間も多くおり、彼等の人生についてはまた後に詳しく語るとします。
モンゴル草原に逃れた彼女は、遊牧民に助けられて一月ほど共に暮らし、その特別な月には多くの詩が産まれました。
それは自分が明日にも捕まって世の中から消されてしまうかも知れない不安から、それを忘れさせてくれる広大な草原と空、そして優しい遊牧民と動物たちの詩でした。
中国で安住の地を得たパールは、またネットに発表出来るコトをとても喜びます。
中国もネット警察がうるさい国ですが、それは「北」と比べればずっと穏やかで、彼女は恐れず自在に書くことが出来ます。
昼間は孤児の子供たちに囲まれ賑やかに過ごし、パールは善き教師として子供たちからとても慕われます。
夜は徳流河と一緒にブログを書き、この女棟梁はしょっちゅう火車に乗って中国全土を駆け回っていますが、そんな時もメールのやり取りで彼女に校正をして貰います。
パール-ソルジェニーツィンは善き編集者を得て、「砂漠のオアシス」での理想的な執筆環境の下、彼女の人生で最も充実した「産月」を迎えます。