「電子」からスタートしましたので、それと対を成す「陽子」で締め括るのが良策かと思いました。
前回、水素の核融合に触れましたので、その材料である「原子核」を紹介します。 ヒドロン - Wikipedia
これを読まれれば、プロトンが「酸性」の正体であるコトも理解いただけるかと思います。
伝統科学では300年来、「酸性」と対を成す「アルカリ性」は、「塩基」の作用で成されてるとされて来て、今風に言えばそれは「アニオン」(自由電子)の作用に当たります。
単独で暴れ回る陽子は「カチオン」と呼ばれ、周りの元素をプラスイオンに変えてしまう厄介者ですが、鉱物を「酸」で溶かして生体ミネラルをゲットする目的で、「妙なる命」は巧みにカチオンを操っております。
生命はアニオン(電子)も実に巧みに操っていて、カチオンの受け皿となる塩基を沢山作り出しています。
その中でも特に重要なのはプリン体(核酸塩基)で、これがDNAの情報をコード(暗号化)出来るのは、アニオンとカチオンの協同作業のお陰と言えます。
有機酸がDNAの修復を担ってる事は前に紹介しましたが、これも「陽子くん」と「電子ちゃん」の「酸-塩基反応」に依って行われています。
上記のブログには面白いコトが書かれており、人は感動したり傷ついて泣く時、胸の奥にジワッと熱いモノを感じますが、それは有機酸の作用だそうです。
即ちヒトは、泣くコトでDNAを若返らせる動物で、感動の涙と傷心の涙ではその効果に違いはなく、持続時間がモノを言うそうです。
クールでドライな人よりも、バカで熱い人の方が長生きする。というコトかも知れません。
本題に戻りまして、DNAが健全に複製され続ける事は、そのまま健康と若さを保つコト、と言った文脈から続きます。
これとセットで、DNAの遺伝子発現を活発化するコトで若返る、といった健康路線も見い出されて来ています。
このコラムではRNAが遺伝子発現のカギと書かれてますが、 RNAもプリン塩基から成っているので、やはり「カチオン=酸」が「発現の鍵」を握ります。
生命のセントラルドグマ(核心原理)に於いて、カチオン(陽子)とアニオン(電子)のお陰でDNAは驚異的に正確な複製を猛スピードで成し遂げられており、この仕事の手際の良さはしばしば「神秘的」と形容されます。
これは「陽子くん」と「電子ちゃん」の神秘的なダンスと言えるでしょう。
-- 陽と電 手を取り合って 命産む 元素はみんな 命の源 遺伝子発現 カチオンの手で --