歌に引き続いて今回はフィルムを前置きとし、フィリピンの強権体制と戦った女性ジャーナリストをフィーチャーさせて貰います。
このマリアさんの笑顔をよく観れば、彼女が多くの苦悩を乗り越え成長して来たコトが解るかと思います。
フィリピンではジャーナリストや弁護士が脅迫されたり、殺されたりするコトが日常茶飯事となっていました。
それは政府による魔薬戦争が多くの人々を殺害し、憎しみの渦を巻き起こしてしまったからです。
確かに中国から密輸される覚醒剤はフィリピンを蝕んでおり、魔薬は撲滅されるべきでした。
しかし魔薬戦争を勃発させたドゥテルテ元大統領の息子(元副市長)が、魔薬の密輸に絡んでいたコトが発覚し、それを追及したジャーナリストは消されてしまいました。
こうした迫害をモノともせずに、暴走した政権と戦い続けたマリアさんの言葉には重みがあります。
インタビューの締めくくりに彼女は、「人間の心の中にある善という奇跡を花開くようにしなければならない」と結んでおり、その為には民衆に真実を伝えるコトが重要だとしています。
強権国家は「ディープフェイク」によって真実を捏造し、それは退屈な事実よりも魅力的なので民衆は騙されてしまう、と彼女は訴えています。
こうして事実に対する見解が分断されてしまったコトこそ、現代社会が抱える最大の問題であるとし、それを融和させる為に善と真実の光を発信し続いて行きたいと語っておられます。
マリアさんの言葉は、ドキュメンタリーと合わせて読むとより感動的で、彼女を「現代のトゥルク」と持ち上げた気持ちも解るかと思います。
次回も引き続いてもう1人、現代の「トゥルク候補」を挙げてみようと思います。