党と人民の代表による討論会も、いよいよ大詰めの「自由についての議論」を迎えます。
中国は今でも「ジャーナリストの監獄」と呼ばれる程に言論統制されていますが、近未来ではそれがより強まって、北朝鮮の様な「情報のブラックホール」になるコトが予想されます。
こうした悪政は過去にも多くの国で繰り返されて来ており、それに立ち向かった言論人としては、ソ連のソルジェニーツィンが有名です。
今回「Sunの物語」では、彼の孫娘パール-ソルジェニーツィンを「女子革命突撃隊」のブレーンとして描いているので、この討論会の締めの議論ではまず、祖父の文章を引用して欲しいと徳流河(ドゥルーガ)に依頼します。
それはスターリンの死後にソ連が雪解けムードとなり、ソルジェニーツィンは名誉回復されノーベル文学賞も受けたのですが、再び権威主義が頭をもたげて来て言論統制が強まったので、それに対する警告として発っせられた公開書状です。
『憲法に違反し、したがって不法である検閲ーー この中世の遺物が、いまだにわが文学に重いくびきをかけている。 人民の内部で熟している思想を表現し、社会の良心に訴える文学作品は、この検閲によって禁止され、あるいは片輪にされている。 だが、もし文学が同時代の社会の呼吸する空気とならず、その苦悩と不安を伝えることができないなら、それは文学の名に値せぬ紙くずに過ぎないだろう。 わたしは、大会が芸術作品に対するいっさいの検閲の廃止を要求し、これをかち取るよう要求する。』
この声明文によってソルジェニーツィンは国外追放の憂き目となり、ソ連が崩壊するまで祖国に帰れませんでした。
帰国したロシアで彼は英雄と称賛されますが、再び歴史は逆戻りしてロシアの良心的な作家は追放されています。
これは中国も同じで、中国はお酒やタバコが無税でとても安く、ギャンブルや売春も半ば公認でどこでもやっているので、観光客などはとても自由な国だと勘違いしますが、それは言論統制による不満を逸らすタメで、「愚民化政策」とも呼ばれています。
こうした愚政は文化を後退させ、ファシズムに支配され易い国民性にします。
しかし、いつまでもそんな支配に中国人民が甘んじているコトはあり得ず、必ず真の自由をかち取るタメに立ち上がる日が来るとルーガは訴え、その日はもしかしたら今日かも知れないと締め括ります。