ここでまた、物語の重要なカギであるブレサリアン(不食者)について深堀りしたいと思います。
まずは本の紹介からで、ブレサリアンについては日本でも何冊か出ています。
わたし的には秋山弁護士の「不食という生き方」に説得力と信憑性があると思います。
世界的に有名な本としては「光で生きる(Living on Light)」が挙げられますが、私はこの本の理論に賛同しないコトを前に述べました。
それはこの本がミトコンドリアや共生微生物群について考察していないからで、メタフィジクス(超物理学)的な理論は時代遅れに思えます。
人体が食べ物無しで生きられるというコトは、共生するミトコンドリアや微生物群も食物無しで生きられると云うコトで、そちらの方が驚異でありむしろ人体はオマケ位な気がします。
それくらい人体は「共生」に頼って生きており、その辺をキチンと考察した理論が必要かと思います。
まずは「光合成細菌」の活性化がカギかと思え、この「原初の生物」が光(放射線)を利用して糖を生む仕組みは、ミトコンドリアとして私達の細胞に引き継がれています。
光合成細菌の活性化には乳酸菌と酵母との共生がカギであり、そのカルチャー(培養液)を産業レベルで利用できる様にしたのが「EM技術」です。
EM1号は光合成細菌を安定させられれば自家製でずっと増やせられ、ジュースを基質(微生物のエサ)にすると美味しい発酵ドリンクになります。
話をブレサリアンに戻し、糖と並んで大事なアミノ酸の供給について考察すると、これは腸内細菌を消化(オートファジー)するコトで補えます。
それには水素で生きる古細菌(アーキア)が適している様で、牛とブレサリアンは共にメタン古細菌を腸内で育てています。
アーキアはミトコンドリアの代わりにハイドロジェノソームを持つ微生物で、この水素を資化(ATP合成)する共生体は、人体の細胞に水平移行する可能性も指摘されています。
それによって細胞のエネルギー代謝が効率的になり、少ない糖でATPを多く作れる様になるのかも知れません。
もう一つ窒素固定菌も無視できず、これはパプアニューギニア人がサツマイモだけで筋骨隆々になる秘訣の菌です。
窒素はアミノ酸合成のカギであり、空気中の窒素を固定してくれる菌と共生するコトでタンパク質を食べなくても人は生きられる様になります。
とりあえず以上で理論立ては終えますが、ブレサリアンの中には呼吸によって吸い込む微生物を消化していると主張する人もおり、実際に私達は一回の呼吸で数千〜数万の微生物を吸い込んでいると言います。
これについてはまだまだ研究が進んでおらず、空気中の微生物を善玉菌化すると謳った商品(EM−W)も過大広告な面がありそうです。
考察が長くなりましたが物語に入りますと、近未来にはブレサリアンに対する注目度は今よりも高まるコトでしょう。
ブレサリアンに成る道も解明されて行きそうですが、今のところそれはまだSFで、文芸作品として描かれるコトも稀のようです。
わたしはこの「道」を秀祥の転生の旅(バルドゥ)を通して描こうと思い、次回はまた過去のアメリカ西部ナヴァホ高原にタイムスリップ致します。