「ずっと続くと思ってた。終わりなんてないと思ってた。」
ポツリと娘が言いました。
中学受験の事です。
小学3年生の時、突然「勉強したい!」と言い出し、小4になり、私立中学の文化祭を見に行って受験をしてみたいと思ったキノ子。
受験がどういう事かもわからず、ただ私学の校舎の豪華さに憧れただけだったと思います。
小4の12月にハムスターを飼うようになって、なんとなく獣医さんに憧れて、その思いに私が勝手に感動して、厳しい中学受験への道を突き進むことにしました。
「終わりなんてないと思ってた。」
6年生の2月に入試があり、受験は当然終わるという事はわかっていたのに、あまりに長い期間『受験』を考えていたので、娘キノ子の気持ちでは、このままずーっと受験が続くと思っていたようです。
入試直前の11月、キノ子は受験をやめたいと言いました。
夏休みが明けて成績が下がり、その後いつまでも偏差値が低迷していたキノ子に私はイライラしていました。
きっとあの頃の私は目が釣り上がって、怖い顔になっていたのだと思います。
夢をもつ娘を応援したい
単純にそう思っていたのに、いつの間にか私は偏差値表とにらめっこしながら、別の事を考えていたのかもしれません。
「でも、あの時、受験をやめなくて良かった!6年間あるから、高校受験がないから、今もこうやってのんびりできるし、ギターの練習や部活も何も考えずにできる
受験しておいて本当に良かった
」
今、娘と週1回、ある場所でギターを練習しています。
公立へ進学したお友達がいよいよ高校受験を考えなくちゃ!と塾を探している頃、私たち母娘は新しい、楽しい事をはじめています。
「こんな時期に思いっきり好きな事ができるなんて、やっぱりいいよなー
」
何が良くて、何が悪いのかなんて
私にはわかりません。
私なりに、親なりに
真剣に考えているつもりですが、それが本当に子供のためなのか、自信のない時がたくさんあります。
娘には無理をさせてしまったかもしれませんが、
思春期に、高校受験のない6年間を用意することはできました。
この先、キノ子はどういう道を選んでいくかわかりません。
キノ子の学校は進学校ですが、もし、進みたい道があるなら、自分で決めた道があるなら、私は大学進学の道じゃなくても良いと思っています。
楽をしたい、めんどくさいというなら、私は口を出すかもしれません。
でも、自分で考えて、しっかりとした覚悟があるなら、
どんな道でも応援してやりたいと思います。
ただ、今は豊かな教養を身に付けるためにも、困難に突き当たった時の訓練のためにも、頭を使い、吸収できることは貪欲に吸収してほしいと思います。
そのために、学びのチャンスもおろそかにしないで欲しいと思います。
順位とか、
人に「すごいね!」と言われるとか、
そんな事ではなく、どうせ親バカの私は娘がどんな状態でも「すごい!」と思っているのだから、自分の選んだ道を堂々と清々しく歩いていってほしい・・・
「ずっと続くと思ってた。」
人と競う事が嫌いで、いつも笑っていたキノ子だったのに、大変な思いをさせてごめんね。
いや、ごめんね、、、とも違うか。。。
これからは、悩んだり、躓いたりしながら自分の道を歩いていってね。
ギターを抱えて
澄んだ冬の星空を二人でみつめながら、私はそう思いました。