ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

アッチッチの夏の サバイバルのために

2018-07-21 14:10:16 | 日記
きのうはヤボ用があり、白昼の炎天下、久々に外出をした。私は、妻が運転
する車の助手席に座っていただけだが、それでもこの猛暑・酷暑は身体にこ
たえた。

これほどの猛暑のなか、屋外に出たのは何年ぶりだろうか。まだ現役だった
頃、つまり私が発病する前で、まだ足が自由に動かせた10年前の頃、同じ
ような猛暑の夏があったような気がする。職場は夏休みだったが、屋外に散
歩に出る気にはなれなかった。好きだった海釣りに出かける気にもなれなかっ
た。熱気で家に閉じ込められ、ひたすら引きこもりを強いられた、そんな閉
塞状態の夏だった。

当時は飼い犬のルルがまだ生きていた。「昼間はアスファルトが灼けてい
て、ルルが火傷をするかも知れない」。そう思って陽が落ちてからルルと
一緒に散歩にでたが、この老犬と同様、だいぶガタが来ていたた当時の私
には、夕方の短時間の散歩が精一杯だった。

さて炎天下、10年ぶりに外にでたきのうの翌日、つまりきょうのことだ
が、気のせいか、私の身体はまだ火照りを帯びている。ネットで新聞の社
説一覧に目を通していたら、日経の社説《猛暑の危険認識して行動を 》
が目についた。

さっそく目を通すと、「35~40度の気温は異常であり無理は禁物だ」とあ
る。その通りだ。ーーだが、現実には、(リタイアした老人は別として)
無理だと判っていても、無理をして働かざるを得ない人が大半ではないの
か。背に腹はかえられない。ーーもっとも、だからこそ雇用される側では
なく、雇用者である企業の側に働きかけることも必要になるということだ
ろう。「企業も猛暑時に休暇の取得を奨励してはどうか」という日経の提
言も、そうした趣旨からである。「奨励してはどうか」というより、マス
コミは「企業も猛暑時に休暇の取得を奨励すべきだ」と積極的に提言すべ
きではないか。「休暇を取らせる余裕のある、そういう企業は少ないので
はないか」という意見もあるだろうが、命あってこその物種である。人が
いてこその企業であり、人の命より重いものはない。こういうときにこそ、
人命尊重の理念を喧伝するのがマスコミの使命ではないだろうか。

私もこの夏は、エアコンをつけっぱなしで寝る夜がほとんどだった。テレビ
で、キャスターがこんなふうに言っていた。
「年寄りは躊躇わずエアコンをつけるべきです。年寄りは屋内で熱中症にか
かり、死亡する人が多い。その7割は、エアコンがあるのに、エアコンを嫌っ
て付けないでいたケースなのだそうです。ですから、皆さん、好き嫌いを言
わないで、夜中でも、エアコンをつけるべきです」。
同様の意見は、日経の社説も書いていた。
「屋内も熱がこもるので安心とはいえない。高齢者では住宅で熱中症になる
人が過半を占める。西日本の豪雨の被災地では、屋外での片付け中だけでな
く避難所内でも熱中症になりやすい。エアコンや大型送風機の利用、十分な
水分補給ができるよう支援が必要だ。」

とにかく、エアコンに限らず、これまでの考え方が通用しないのがこの夏の
異常なまでの暑さである。
「頻繁に35度以上になる現状では昔の常識は通用しない。夜間も気温が下が
らず、午前中に30度を超えることも多いので早朝練習も注意が必要だ。指導
者は気象庁の高温注意情報や環境省が出す暑さ指数をもとに、とるべき行動
を判断してほしい。」
日経はこう書くが、これまでの考え方が通用しないのは、ラジオ体操や太極
拳の練習など、早朝の身体活動に限った話ではない。今回の西日本豪雨が象
徴するように、大雨などの自然災害に対する考え方も同様だろう。先日の西
日本豪雨では、川の氾濫を防ぐはずのダムが 逆に氾濫をまねいたり、小規
模な砂防ダムがまったく役割を果たさなかったりして、多くの人命が奪われ
たケースもあったと聞く。今や自然災害の規模は「異常」と言えるまでに膨
れ上がり、これまでの我々の備えや対処策を覆そうとしているのだ。

豪雨に象徴される異常気象の頻発は、地球規模の温暖化とどう関係している
のだろうか。もし関係しているとしたら、命を守るためにエアコンを多用す
る我々の生活は、より一層の地球温暖化に結びつき、悪循環をまねきかねな
い。自分の命を守る行為が、自分の首を絞めていることになる。

日経が言うように「エアコンは必要だが、多用はエネルギー消費量を増やし
温暖化ガスの排出増にもつながりかねない」。ーーとすれば、「国や自治体
が都市計画のなかで暑さ対策を重視し、緑地や風の通り道の確保、建材や舗
装材の選定などを工夫する発想も必要だ」ということになるのかも知れない。
どうにも暑苦しい話である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする