カジノとタバコのビミョーな関係

ギャンブルと国家の関係は、タバコと国家の関係に似ている。先日、カジノ法
案を提出し成立させた政府は、同時に、「ギャンブル依存症対策法案」を提出
した。「カジノはギャンブル依存症を生み出す。これは問題だ！」というカジ
ノ法への反対の声を考慮してのことである。笑うしかない。

タバコ問題に引きつけて言えば、これは、タバコ販売法を作ると同時に、「ニ
コチン依存症対策法」を作るのと変わらない。この法律に基づいて、政府は
「タバコは健康に良くない」と宣伝する啓発活動を実施するなど、ニコチン依
存症の対策に努める。また、ニコチン依存症におちいった患者には、胃薬や咽
頭部の消炎剤を処方するように努める。よってタバコを販売しても、何も問題
はない、というわけである。

ネットなどで言われるように、こんな「対策法」に 予防の効果は期待できな
い。「対策法」は、予防ではなく、依存症におちいってしまった不幸な患者へ
の 事後的なケアに徹するしかなくなるだろう。ニコチン依存症の患者に 胃薬
や咽頭部の消炎剤を処方するように、ギャンブル依存症対策としては、依存症
と診断された者に対し、賭博につぎ込む資金を無利子・無担保・返済期限無しで
無制限に貸し出す、とする貸金制度でも作りますか（笑）。

カジノの経営を認めることで、政府は莫大な財源を手に入れることになるが、
カジノの経営によって もっと大きな利益を得るのは、言うまでもなくカジノ
業者である。カジノ事業への進出を狙うパチスロの大手・セガサミーホール
ディングスの、その会長である里見某氏は、安倍首相と「お友だち」の仲であ
るとかーー。アンチ安倍サイトの「リテラ」が暴く「不都合な真実」である。